吉田正尚、大竹耕太郎、万波中正…今季躍動する選手たち、「夏の甲子園」ではどんな成績だったのか

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1年生の4番打者として甲子園デビュー

 連日熱戦を繰り広げている夏の甲子園大会。現在プロで活躍中の有名選手の中にも高校球児時代に甲子園でプレーした者が数多く存在する。今季MLBやNPBでめざましい活躍を見せている3選手の夏の甲子園時代を紹介する。【久保田龍雄/ライター】

 1年生の4番打者として甲子園デビューをはたしたのが、今季レッドソックスで活躍中の吉田正尚である。2009年春、敦賀気比に入学した吉田は、170センチ、67キロと小柄ながらパワーがあり、コンパクトな速いスイングから長打を連発するばかりでなく、勝負強さも兼ね備えていたことから、入部早々、いきなり4番に抜擢された。

 背番号7を着けてベンチ入りした同年夏の福井県大会では、吉田は決勝戦までの全4試でマルチ安打を記録し、13打数8安打2打点の打率.615と打ちまくった。準々決勝の敦賀戦では、3対4とリードされた9回1死から反撃の口火となる二塁打を放ち、逆転サヨナラ勝ちにつなげた。

 さらに準決勝の福井工大福井戦でも、本塁打で1点を先行され、重苦しいムードが漂いはじめた6回1死一、三塁、吉田は左翼線に同点タイムリーを放ち、4番の責任をはたす。敵失の間に一塁走者も生還するラッキーボーイぶりも発揮し、2対1と一気に逆転。8回にも、吉田は中越えに3点目となるタイムリー二塁打を放ち、全得点に絡む活躍でチームの勝利に貢献した。

「これから猛練習したい」

 そして、背番号も「3」に変わった甲子園では、初戦(2回戦)で原口文仁(現・阪神)、松本剛(現・日本ハム)ら、タレント揃いの強豪・帝京と対戦。

 試合は、県大会でチームの先輩・内海哲也(元・巨人→西武)の「43」を塗り替える大会新の49奪三振を記録した3年生エース・山田修義(現・オリックス)が力んで序盤に5点を失う劣勢となり、吉田も最速149キロ右腕・平原庸多に3打席いずれも一ゴロに打ち取られた。

 だが、0対5とリードされ、敗色濃厚となった8回2死、3番の主将・李開が右翼線二塁打で反撃の口火を切ると、吉田も左前にタイムリーを放ち、チーム唯一の得点を叩き出した。

 悔しい初戦敗退に「全国レベルの投手に打ち負けないよう、これから猛練習したい」と雪辱を誓った吉田は、翌春のセンバツにも4番ライトで出場。1回戦の天理戦で4打数3安打を記録するなど、チームの8強入りに貢献している。

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