「真夏のシンデレラ」 湘南住まいのヒロインを田舎者扱い…ツッコミどころ満載はワザとなのか
フジテレビの月9ドラマ「真夏のシンデレラ」のAVOD(広告つき無料配信)が好調だ。第1話は410万再生を突破し、今期話題の日曜劇場「VIVANT」(TBS)をも上回った。その後も高再生数を続けており、TVerのお気に入り登録数は100万超だ。「silent」や「あなたがしてくれなくても」などAVODで稼ぐフジだが、「真夏のシンデレラ」の“人気”はちょっと違うらしい。
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「silent」も「あなして」も、見逃し配信が好調だったとはいえ、リアルタイムの視聴率は回を追うごとに上がっていき、それぞれ最終回で番組最高を記録して幕を下ろした。民放プロデューサーは言う。
「家族と一緒に大画面で見るのは気恥ずかしいと、スマホやタブレットの“おひとりさま視聴”の需要を生んだわけですが、ストーリーに夢中になるにつれ大画面でじっくり見たいという視聴者も増えたのでしょう。ところが『真夏のシンデレラ』は、AVODは好調でも視聴率は回を追うごとに落としています」
初回6・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯:以下同)に始まり、その後は5%台となり、8月7日の第5話では5・2%と番組最低を記録した。
「第5話までの平均は5・68%です。月9の史上最低が『海月姫』(18年1月期、主演・芳根京子)の6・1%ですから、早くもワースト記録の更新は確実と言っていいでしょう。単回の最低記録は『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(17年10月期、主演・篠原涼子)の最終回4・6%ですが、この記録も破ることになるかもしれません」
では、なぜAVODの再生は多いのか。
「テレビ東京ではありませんが、“ありえへん∞世界”がストーリーに散らばりすぎていて、SNSでは“反省会”ならぬ“ツッコミ”ばかり。正直言って、アラ探しを楽しむための“おひとりさま視聴”が増えている可能性が高いですね」
格差ラブストーリー
森七菜(21)と間宮祥太朗(30)がW主演する「真夏のシンデレラ」は、真夏の海を舞台に繰り広げられる男女8人の恋愛群像劇……月9王道のラブストーリーをウリにしていた。
「初回からツッコミどころが満載でした。湘南に暮らす地元の女性3人(森、吉川愛、仁村紗和)と、東大卒という東京組の男性3人(間宮、萩原利久、白濱亜嵐)の出会いから始まりましたが、女性たちは神奈川県民にもかかわらず、東京とは文化も民度も全く異なるような描かれ方。そこに地元の男性2人(神尾楓珠、水上恒司)との恋愛まで絡めたものだから、唐突であり得ない展開がてんこ盛りになっていました」
花火の音に驚いて堤防から足を滑らせ海に落ちた仁村が実はカナヅチで、助けに飛び込んだ水上は泳ぎながらの人工呼吸。翌朝は同じベッドで裸の2人……といったシーンはSNSでもツッコミの声が溢れた。
「研修医役の萩原の高飛車な毒舌ぶりは、初回から鼻につくものでしたが、第4話では森の弟(大西利空)の成績が悪く、夏休みも追試があると聞き、『バカを擬人化したような弟だな。母親がいないとやっぱあんな子供に育つのか』と言い放ち、友人の白濱が実は東大卒ではないことも暴露するなど、暴言の連発。SNSでは《全国の母親を亡くした家庭と東大を落ちて第二志望の人たちに謝れ!》といった声が続々と出ていました。そのせいか、TVerの『真夏のシンデレラ』は番宣も兼ねた全話配信のはずが、第4話だけは公開を中止しています」
さらに第5話では、あり得ない展開も極まった。
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