ラバーガール、TikTokで人気が再燃 ショート動画に向いていた独特な芸風

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「芸風に合ったアプリ」の流行で再浮上

 そのきっかけはショート動画アプリのTikTokだった。2021年に彼らはTikTokアカウントを開設し、オリジナルのショートネタ動画をアップしていった。すると、それが大反響を巻き起こし、瞬く間にフォロワーが増えた。今では彼らのことを知らなかった若い世代にも支持されている。

 もともとラバーガールのネタは、ボケ役の大水が独特の雰囲気を生かして、唐突におかしなことを言うというのが売りだった。この芸風はフリからオチまでの時間が短いため、ショート動画に向いていた。自分たちの芸風に合ったショート動画アプリが流行する時代がたまたま訪れたからこそ、彼らはそこで人気を博すことに成功したのだ。

 また、彼らはYouTubeにも力を入れている。最近では、中田敦彦が松本人志に対して「お笑いコンテストの審査員をやりすぎではないか」という提言をする動画が話題になった際に、日本テレビ「笑点」では“審査員”の春風亭昇太の権力が強すぎると批判する内容のパロディ動画を公開して、人気を博していた。

 確実に面白いものを作り続ける実力があれば、チャンスは何度でも訪れる。ラバーガールの面白さが本当の意味で世間に認められるのはこれからだろう。

ラリー遠田
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。テレビ番組制作会社勤務を経て、作家・ライター、お笑い評論家に。テレビ・お笑いに関する取材、執筆、イベント主催など多岐にわたる活動を行っている。お笑いムック『コメ旬』(キネマ旬報社)の編集長を務めた。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり 〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)、『逆襲する山里亮太』(双葉社)『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)など著書多数。

デイリー新潮編集部

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