バイきんぐのコントがズレない理由 小峠は語る「西村じゃないとダメ。こいつと作り上げてきたテンポとリズムなんで」

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 バイきんぐの小峠英二(47)と西村瑞樹(46)にとって、毎年恒例となっている単独ライブの時期がやってきた。これまで最大でも3公演だったのが、今年はオール新作の9本のネタで4公演をこなす。今やテレビで見ない日はないと言ってもいい二人だが、原点はあくまでも舞台上で繰り広げるコント。13回目となるライブを前に、二人が作り上げるコントの極意を聞いた。(前後編の後編)

笑いはテンポとリズム

 ザ・ドリフターズの加藤茶(80)は、2020年10月に放送されたNHKの番組で、ミュージシャンでもある彼らの笑いの原点は音楽であり、ミュージシャン独特の間(ま)が彼らのコントの世界を作り上げたという趣旨の話をしていた。ドリフターズのコントといえば、いつ見ても、どの世代にもウケる、普遍的な笑いだ。

 バイきんぐのコントも、よくこのように紹介される。

「バイきんぐのコントは何度見ても面白い」

「過激で破壊力満載のコントはいくら見ても飽きない」

 確かにその通りなのだが、過激で破壊力があって、それで何度も見たくなる……この基は何なのか?

「芸人になってから大事にしているのはリズムとテンポです。思春期の頃からずっと音楽を聞いて育っているし、かつてバンドでボーカルとギターをやっていたこともあるので、人間にとって気持ちのいいテンポとリズムは何か、自分なりには分かっているつもりです。同じフレーズでも、ウケるテンポとそうでないのとがありますから」(小峠)

 二人のコントで欠かせないのは小峠の激しいツッコミだが、一言でツッコむのか、畳みかけるのか、間を開けてから行くのか、そこには細心の注意を払っているという。

「ネタ合わせで小峠からしつこく言われるのは、とにかく間です。ここはこの間じゃないと絶対にウケないから、というこだわりは物凄く強いので、そこはきちんと守ってやっています」(西村)

 西村もギター&ボーカルでバンドをやっていたので、音楽の心得はある。ネタによってはロックだったり、ジャズだったり、パンクやクラシックまでオールジャンルだというが、

「僕は基本、ロックとかパンクですけど、ヒップホップもテクノも、それこそ何でもアリですよ。ただ、どんなジャンルの音楽でも、聴いていて気持ちのいいリズムやテンポじゃないとノれないじゃないですか。お笑いも同じだと思います。いいリズムでないと笑えない、というのはあると思います」(小峠)

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