バイきんぐ・小峠が本気で悔しがった錦鯉のM-1決勝 「人生を変えるかもしれない大舞台。これは勝てないなと思った」
ライブの4カ月前からネタ作り
「ネタに関しては一緒に考えていた時期もあったんですけど、基本的に僕が書いています。今回は新作9本ですが、ライブの4カ月前くらいから考え始めます。今年でいうと5月くらいから、さて何をやろうかな、と」(小峠)
バイきんぐのコントといえば、西村の奇人ぶりに小峠が容赦なくツッコミを入れ、「なんでこんなことに」という展開に観客をグイグイと引っ張っていく。そのシチュエーションが、ラーメン屋だったり、自動車教習所だったり、出会い系サイトだったり……。
「パパパパッと出てくる時もあれば、出ない時もあるし。でも、ネタを考える時はとにかくそれに集中しています。今は作家もいるので、彼らにアイデアやヒントを出してもらうこともあるし。それで台本を書き上げて、全てのコントを本番の1カ月前には仕上げる感じです」(同前)
昨年のライブでかけたネタに「自転車」がある。ボランティアで他人の自転車を舐めてきれいにする男(西村)という設定だが、
「ネタを書いているのは小峠なので、台本をもらうと小峠から舐め方のレクチャーを受けます。ただ舐めるんじゃなくて、荷台から入って、すぐにサドルに入らずに、考えて舐めるんだぞって(笑)」(西村)
「舐め方のレクチャーって、どういうレクチャーなんだよ!」(小峠)
「例えば、この男は舐めすぎで舌が真っ黒になっているんですが、そういうアイデアから細かい設定まで全部、小峠が考えています。それで全体をまとめて、一本のネタとして完成させるんです」(西村)
昨年の単独ライブ「キャバレー」はDVD化されているので、気になる方はぜひ見ていただきたい。テレビでは絶対に見ることのできないコントもある。単独ライブならではの楽しみが満載だ。
さて、ネタの細かい設定も全て小峠の発案ということだが、西村の存在なくしては彼らのコントは成立しない。特に小峠は、最近になってそのことを強く認識したという。その詳細は後編で。
(文中敬称略)