「夏の甲子園」で勝敗を分けた“疑惑の判定”…世間を騒がせた「誤審騒動」を振り返る!

スポーツ 野球

  • ブックマーク

“空タッチ疑惑”

 連日熱戦が繰り広げられている夏の甲子園大会だが、“甲子園切符”をかけた神奈川大会決勝、慶応対横浜で最終回の二塁封殺プレーが「足がベースから離れている」としてセーフと判定された結果、慶応の逆転勝利につながった“誤審騒動”が大きな議論を呼んだ。そして、夏の甲子園でも、過去には勝敗に大きく影響を与えた“微妙判定”が何度となくあった。

 今回話題になった慶応は、くしくも2018年の1回戦、中越戦でも、“空タッチ疑惑”が浮上している。

 2対2の8回、中越は四球と安打で1死一、三塁と勝ち越しのチャンス。だが、次打者・山田吐夢は初球にセーフティスクイズを試み、生井惇己の外角低めスライダーを空振りしてしまう。直後、飛び出していた三塁走者・小鷹葵を見た捕手・善波力がすかさず三塁に送球。塁審は「アウト!」をコールした。

 ところが、VTRでは、三塁手の下山悠介が小鷹にタッチするタイミングこそアウトながら、ヘッドスライディングする小鷹の背中に差し出すグラブは空を切っているように見えた。

 ネット上でも「これアウト? 中越かわいそう」「どうみてもタッチしていない」などと“空タッチ”をアピールする声が続出。中越側も抗議したが、判定は変わらなかった。

 皮肉にも、直後、山田は中前安打。もし小鷹がセーフになっていれば、3対2と勝ち越し、なおも1死一、二塁、または一、三塁のチャンスが続いていたはずだったが、2死一、二塁から次打者は三振に倒れ、無得点に終わった。

 そして、8回のピンチを逃れた慶応は、9回2死から四球と安打で一、二塁のチャンスをつくると、1番・宮尾将の中前タイムリーで、慶応普通部時代の1920年準決勝、松山商戦以来、98年ぶりとなる夏の甲子園でサヨナラ勝ちを決めた。

 一方、“空タッチなのにアウト”が回りまわって勝ち越しのチャンスを潰した中越は、2015、16年に続き、3大会連続で初戦サヨナラ負けに泣く結果となった。

次ページ:流れを変えた“ワンバウンド判定”

前へ 1 2 3 次へ

[1/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。