防衛医大から自衛隊病院で激務の3年間…セクシー女優「吉川蓮民」が語る、家庭不和の幼少期から世田谷区議選出馬まで
「ほとんど好奇心で出演を決めました」
退職後もしばらくは九州にとどまっていた蓮民だが、性病でバレるリスクから解放されたこともあり、今度は中洲の中級店で働いていた。そして東京に遊びに来ていた折に渋谷でスカウトされたことをきっかけに、セクシー女優としてデビューすることが決まる。その作品のパッケージでは“趣味はサバゲー”と謳われ、迷彩柄のキャミソールを身に着けているあたり、元・自衛官であることの“匂わせ”だろうか。
「ほとんど好奇心で出演を決めました。AV新法のこともあって、事前の説明は丁寧にしてもらいましたし、撮影も楽しかったです。出演料は40万円くらい。芸名は姓名判断で一番良かった『藤本香澄』にしました。ただ、事務所に黙って出馬の話を進めていたので、契約は解除されてしまい、今後はこの名前は使えなさそうなのですが……」
そう、彼女は女優としての活動と政治活動を、ほぼ同時に始めている。しかも、事務所と政治家女子48党の双方に黙って話を進めていた。彼女が出馬した世田谷区議選は4月23日が投開票日、そしてデビュー作のリリースは、4月28日である。
女優業もノリと勢いなら、政治のほうも同様のようだ。
「もともとダンス好きだったこともあって、政治家女子の『アイドル募集!』というYouTube広告に惹かれたんですよ。自衛隊での仕事、副業の合間をぬって、ダンスのレッスンを受けたりもしていたんです。実際はアイドルというか、政治家女子の候補者の募集だったわけですが 笑。選考は書類と面接だけ。一応、性産業で働いたことは伏せ、元自衛官として応募しました。すると合格してしまったんです。後から『あなたは上から4番目の有力候補者だった』と言われました」
晴れて二足の草鞋を履くことになったが、選挙への出馬を決めたことで女優業に支障が出たのは先述のとおり。「政治とか宗教が絡むのはNGと言われました」。今は当初と別の事務所に移籍している。
では、政治のほうはどうだったかというと……。
「さすがに隠して選挙に出るのはマズいと思い、代表だった立花孝志さんに『実は……』と電話で相談しました。するとむしろ強みだよ、正直に明かした方がいいよ、と言ってくださって。『ただ確定申告だけはちゃんとしておこう』と言われたので、10万円の修正申告をしました」
彼氏との別れも
当選には至らなかったわけだが、選挙に出るとなれば、顔と本名を世に晒すことになる。周囲の反応はどうだったのか。
「大学時代の寮の食堂のおじちゃんからは『かんばって』『自衛隊を良くしてね』というメッセージをもらいました。副業のことは彼氏と同じタイミングで親にも話をしていたのですが、選挙に関して母は『がんばってね』で、父は『愛知県では出ないで』と。そして彼氏は『フーゾクやるより政治やるほうがマシです』というリアクションでしたね。前々から『まともな仕事をやってください』と言われていたので」
学生時代からのつきあいの恋人がいきなり副業をはじめたかと思えば、今度は女優業、そして選挙に出ると言い出したわけである。かなり理解のある彼氏のように思えるが……実は選挙後の5月に別れてしまったのだという。
「最近まで同棲をしていたのですが、彼が半年間、船に乗る訓練に行くことになったんです。で、その家を一度解約することになって。一緒に退去点検をして『今後どうする?』という話をしたら『別れようと思っている』と。まあ、私の性産業の仕事や女優の仕事も、肯定している感じではなく、向こうのストレスになっていたみたいですし。周りには彼女が私だとバレていて、冷やかされていたらしいんですよね。私としても、彼氏の存在がブレーキになって自由に活動しにくくなっていたので、よかったと思っています」
端からはかなり自由な生き方をしてきたように見えるが、それでも恋人が“足枷”だったと振り返る。それがなくなった今、彼女はどこへ向かうのか。次なる出馬の計画を練っているのか。このインタビュー後の8月9日、彼女はSNSで突如、性風俗店勤務からの卒業を発表した。理由や詳細は明らかにされていない――。