ドン・キホーテが「線香」にナゾの注力 “赤いローソク”の存在がヒントに

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 北海道から沖縄まで、国内に480店舗以上を構える「ドン・キホーテ」。商品の多さに目が回りそうな店内でおなじみですが、取扱アイテム数は通常店で4.5万、大型の「MEGAドンキ」ともなると10万品にも及びます。食品から家電、雑貨までと広いラインナップには、お盆の時期に手にする機会も多い「線香」ももちろんあるわけですが、一見地味な「線香」にこそ、じつはドンキらしさがあるのをご存じでしょうか。(渡辺広明/消費経済アナリスト)

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 ドンキの線香のどこがすごいのか。結論から言ってしまうと「品揃え」です。

 東京都内のある店舗の売り場をのぞくと、およそ50種類の線香が陳列されていました。ラベンダーや薔薇、白檀などの香り違いから、けむりの少ない商品など、改めて線香という商品のバリエーションに驚かされます。線香だけで50点というのも、普通の小売店に比べればすごいわけですが、私のいいたい「品揃え」とは、店あたりではなく、地域ごと、の話です。

 もともとローソンの店長、バイヤーをしていた立場からの話ですが、ドンキやコンビニ大手のような全国展開をしている小売店には、扱う商品に地域差があります。たとえば、AとBというふたつの洗剤があったとして、こっちの地域にはAを置き、あっちの地域にはBを置こう、と区別をつけるのです。この違いは、お客様の地域ごとの好みの違いや、商品の入荷の都合などによるものです。

 少し前に、セブン-イレブンが、東日本では「こしあん」のあんまんを、西日本では「粒あん」のあんまんを販売していると明かしましたが、これに近い感覚です。セブンのこの発表を受けた静岡新聞の調査では、セブンに限らずローソン、ファミマでもこうした傾向があると判明しています。

 とはいえ、地域差といってもせいぜい「東」と「西」の違いです。あまり細分化しすぎると、本社(本部)側での商品管理が行き届かなくなる恐れや、取り扱いのメーカーやベンダーが増え、作業が煩雑になるためです。ところが、ドンキの線香は、じつに29県・30エリアで地域の違いがある。29県・30のドンキの店舗では線香の扱い商品が一部異なるのです。

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