日大薬物事件、“隠蔽”疑惑にチラつく田中元理事長の影 「調査の実働部隊のトップはゴリゴリの田中派」

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「ビルを相続しない」と語っていたのに…

 その田中氏が唯一頭の上がらない存在だったとされるのが、都内にある「ちゃんこ料理 たなか」を経営していた妻の優子さんだった。

 昨年10月に優子さんが亡くなると、彼女が所有していたちゃんこ屋の入るビルの相続が問題となった。

「優子さんの生前、田中さんは妻方の実家であるそのビルを“相続しない”と語っていたのに、結局、田中さんを含む親族が相続しました」(同)

 田中氏が所有する持ち分については日大の申し立てにより、今年4月、仮差押命令が下った。ところが、

「田中さんはトップとして君臨した日大への愛が人一倍強い。それゆえ、日大が本気で自分の物件を差し押さえるとは思っていないようです」(同)

 現在、そのビルは人影も見えず、ひっそりとたたずむばかりだ。

 かような静けさとは裏腹に「林体制」でチラつく“ドン”の影。払拭できるのはいつの日か。

週刊新潮 2023年8月17・24日号掲載

特集「アメフト部“薬物汚染” 『林真理子理事長』ですら膿を出し切れない『日大』魔窟に“ドン”の影」より

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