日大薬物事件、“隠蔽”疑惑にチラつく田中元理事長の影 「調査の実働部隊のトップはゴリゴリの田中派」
「ゴリゴリの“田中派”」
「そこの部長はゴリゴリの“田中派”で知られています。例えば、理事長時代の田中さんと外部で打ち合わせがあれば、ともに出かけて行って、その後の実務を任されていました。競技スポーツ部はその部長を頂点として、各運動部の指導者たちが部下に連なっている。彼らは皆、田中さんの寵愛を受けた人たちで、“田中派”として組織に残ってしまっているんです」(同)
大学は各部署に対し、定期的に「田中氏と接触している職員はいないか」調査を行い、ドンとの接触を断とうと躍起だという。それでも排除できない膿がまだまだ存在しているようだ。
一連の隠蔽疑惑について、澤田副学長は8日の会見でこう釈明した。
「本人に反省を求め自首させたかったが、ヒアリングが進まず、警察に引き渡すことができなかった」
300億円超の助成金が交付されない可能性
教育機関が自首をうながすなど、あまりに不自然な説明というほかないが、一方で、今回の違法薬物を“OBからもらった”とする情報もある。ともあれ、“浄化”に向けたいばらの道はまだまだ続く。
今年3月末、日大は田中氏らに対し、一連の事件で大学に損害を与えたとして、約11億1360万円の損害賠償を求めて東京地裁に訴えた。というのも、
「田中氏らの事件により、日大は文科省による私学助成金が21年度から不交付となっています。今後5年で300億円超の助成金が交付されない可能性があるのです」(前出記者)
先の日大OBいわく、
「11億円の訴訟はあくまで第1フェーズで、第2フェーズとしてさらなる訴訟も検討されています。大学に与えた損害は果てしなく大きく、落とし前をつけさせなくてはいけない。日大はそう考えているのです」
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