旧日本軍「震洋」を彷彿とさせるウクライナ軍「水上ドローン」の威力 専門家は「”マスクさまさま”でしょうね」
相当な脅威
公開された水上ドローンの動画や写真をよく見ると、スターリンクのアンテナが見えるという。スターリンクはイーロン・マスク氏(52)が経営する「スペースX」が提供する衛星インターネットアクセスサービスだ。
「スターリンクを使ってドローンの正確な現在位置を把握し、操縦者はカーナビのような画面を見ながらロシア海軍の揚陸艦や橋を攻撃したのでしょう。これこそ水上ドローンが戦果を挙げている重要なポイントだと思います。ウクライナ軍にとっては、まさに“マスクさまさま”です。他の部品は民生品を有効利用し、製造コストを下げていると考えられます」(同・軍事ジャーナリスト)
アメリカが開発した対艦ミサイルのハープーンを使えば、同じような戦果を挙げることは可能だ。しかし、こちらは1発の値段が1億円を超える。一方、水上ドローンなら1隻数千万円で製造が可能だろう。量産がたやすいことは言うまでもない。
「太平洋や大西洋といった大洋で実力を発揮することはなさそうですが、黒海のような内海に展開するロシアの艦隊には相当な脅威になるでしょう。そもそもロシア海軍のダメージコントロールは、アメリカ海軍や海上自衛隊より劣ると言われています。警戒監視を徹底するにしても、あれほど小さなボートが波間に入ったりすれば、発見は困難。ドローンの攻撃を恐れて黒海艦隊が出航できなくなったとしても、全く不思議はありません」(同・軍事ジャーナリスト)