ドン底から脱出「ドムドムバーガー」の女性社長、「仰天メニュー」開発のために担当者を“減らした”理由

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ボツになった「納豆バーガー」「油揚げバーガー」

 また、ドムドムは販売にこぎつけた変わり種バーガーだけでなく、「納豆バーガー」「油揚げバーガー」「イカげそクラーケンバーガー」などの“ボツバーガー”も公開している。

――社長、やっぱり“おもしろ”イメージをつけようと狙ってますよね?

「いえ、ボツバーガーは取材の時に聞かれたから公開しただけですよ」

 そうだったんですか……。

 前出のポップアップショップでは、「ざっくりドムドム史」として年表が張り出されていたのだが、その1970年~2010年の間には「失われた40年」の文字が書き込まれている。

――社長、創業から53年のうち、40年分の情報が失われているって、いくらなんでもやり過ぎですよ。これは間違いなく“おもしろ”イメージをつけようと狙っていますよね?

「その年表は昨年発売されたファンブックに掲載されていたものなんですが、会社の体制が何度も変わって公的な資料が残っていないんです。例えばどむぞうくんを誰がデザインしたか、名付け親は誰か、いつからいつまでがどのデザインかということも正確にはわかりません。どの時点で何店舗あったかも正確にわからないですし、店舗デザインもお客様や元従業員が撮った写真はあるのですが、会社には残っていないんです」

 ガチやったんかい! 記事冒頭で「400店」が推定だとしたのは、この事情からだ。

 事業譲渡当時には、「2020年に50店舗、2027年に100店舗」という報道もあったが、現在、譲渡時(36店舗)より店舗数が減っている

――社長、さすがに親会社から「どうなってるんや」とつつかれていませんか?

「私の、この全く想像のつかないような運営の仕方で、なんか少しずつ良くなっているから、これはこれで良いのかと思っていただいているのではないでしょうか。最近はお任せいただけているように思います。そもそも何年までに何店舗というのは、企業の自己満足ではないかと思うんです。お客様にはあまり関係ないような……。それよりお客様にとってこの商品が好き、レトロ感のあるこの店構えが好き、この店員さんが好きというところをしっかりやっていかなくてはと……」

 むむぅ……。「お客様と共存」のスタンスが徹底している。この姿勢を貫いていることこそ、ドムドムが復活できた一番の理由か。

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