ドン底から脱出「ドムドムバーガー」の女性社長、「仰天メニュー」開発のために担当者を“減らした”理由

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“どむぞうくん”マスクに長蛇の列

 この「お客様・スタッフと共感・共存しながらブランドを作る」という考え方が、コロナ禍で思わぬ効果を発揮した。2020年5月の話だ。

 緊急事態宣言下でも、ドムドムは食品スーパーに出店していることから、開けている店が多かった。

「コロナ禍でまず私が考えたのは、確実に下がる売り上げをどう上げるかではなく、従業員をどうやって守るかでした。マスクが手に入りにくかった時期、スタッフはマスクをしてお店に立たなければいけないけれど、自分のマスクを確保するのも大変でした。そこで社としてマスクを作り、少しでも笑顔になってくれればとどむぞうくんのタグをつけたものを各お店に送ったんです。でも、よく考えたらお客様もマスク不足に困っていた。社会貢献のつもりでお分けしようと、レジ横に置いて一枚350円という安価で販売しました。ユニクロさんがマスクを販売する少し前ですね」

 すると、このどむぞうくんマスクの写真がSNSでバズった。「欲しい」という声が殺到したことから店舗で限定販売すると、どむぞうくんマスクを求めて長蛇の列ができたという。

「密がいけない時期だったのに、これは大変だと思い、店舗での販売はすぐやめました」

 しかし、欲しい人の声には応えたい。そこで同月、「ECサイトを10 日で立ち上げて販売したんです」。

“怪我の功名”だったECサイト

 結果的に、ここで作ったECサイトがドムドムの経営好転の一因となる。

「2020年は創業50周年だったので、どむぞうくんのミニトートバッグとタオルハンカチ(どむぞうくん柄とフライドポテト柄)も作ってECサイトで販売しました。これがすごく売れたんです。そこからどむぞうくんのぬいぐるみも作って販売しようということになりました」

 こうしてどむぞうくんの思わぬ人気ぶりを知ることになった同社は、以降、ぬいぐるみ、Tシャツ、デイパック、マグカップ、ピアスなどのどむぞうくんグッズを次々と作り、ECサイトで販売した。今ではEC部門の売り上げは全体の7%を占めている。

「不手際もいっぱいあったんですけれども、あの時に立ち上げなければ今のEC サイト事業部もないわけです」

 いわば“怪我の功名”。マスク販売の混乱をきっかけに作ったECサイトが、コロナ禍でドムドムの売り上げを押し上げ、どむぞうくんの人気も盛り上げたわけだ。

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