お盆期間中のSAPA問題、高速道路の大迷惑…トラックドライバーが明かす、知っておいてもらいたい彼らの諸事情
兼用マスの弊害
とはいっても、お盆になるとトラックの数はぐっと減る。人間が生きていくうえで必要になる生活用品や食料品を運ぶトラックは相変わらず走るが、その他の荷物を運ぶトラックの場合、運搬を依頼する客、つまり「荷主」が連休に入るため、必然的にドライバーの仕事も休みになるのだ。
そうすると普段よりはトラックのSAPA利用率が減るため、連休中、誘導員が一般車を大型車マスのほうへ誘導したり、場所によっては元々大型車マスを一般車でも停められるよう「兼用マス」にしておいたりすることもある。
こうした対策は、時期や時間によって一般車・大型車の利用台数が変わることで生じる混雑を効率よく解消できるため、歓迎はされている。しかし、これにもトラックドライバーには不便や危険が。
「SAPAでこの時期体験するのは、大型車の利用が少なくなることで、誘導員に端のエリアに追いやられることがありますね」
「トラックと一般車の駐車場所が近くなると、人の飛び出しが怖いです。特に大型連休は家族連れが多く、SAPAの駐車マスを走り回る子どももいる。クルマが死角になって見えないので、トラックを動かす時は本当に怖い」
特にこの「兼用マス」は、大型車の1台のスペースに一般車が前後で2台停められるよう、青い線が引かれているのだが、一般車はなぜか「前後」で停めずに「前」部分に好んで停めることが多く、トラックが停められなくなる、という声も。
「一般車が前後で停めてくれればトラックが1台停められるのに、みんななぜか前後の前の部分に停めたがる。まあ、後ろのクルマが先に出発しただけなのかもしれませんが、一般車には前後での駐車を意識してほしい」
こうしたトラックドライバーによる切実な声の中でも、今回のアンケートで最も多かった声が「SAPA内での逆走」だった。一般的にSAPAは安全確保のため、一方通行。それを守らない一般車が多いという。
「SAPA内の逆走はほんとやめて欲しいです。しかも結構な速度で走ってる」
「普段クルマに乗り慣れてないドライバーは、空きマス探しに意識も目線も集中していて、自身の逆走にも気付いていないことがある。対向からきた俺たちに対して『邪魔だ』みたいな態度を取られることも」
普段は走らない高速を運転し、SAPAでやっと休憩。思わず、路面の走行表示を見落としたり気付かなったりすることもあるかもしれない。だが、注意標識や路面の表示には最大限の注意を払って欲しい。
一方でトラックのマナー違反も
これらトラックドライバーが被る迷惑駐車の一方で、実はトラックドライバー自身のマナー違反も横行している。なかでもお盆に起こり得る問題としてあげられるのが「バス専用マスに駐車するトラック」だ。
バスの駐車マスは、乗客の安全面から、道路を横切らなくて済むようなトイレ前に設置されていることが多い。だが、ここにトラックが駐車していることが普段から往々にしてあるという苦情がバスドライバーからは常に聞こえてくる。
「バス専用マスのカラーコーンを動かして停めるトラックも見受けられます。個人的にはマナー問題な気がします」
「普段からバス専用マスに停めているトラックは、バスドライバーたちの間で問題になっていました。お盆の時期は特に乗客の乗降があるので、彼らの安全のためにもくれぐれもバス専用マスにトラックは停めないでほしい」
いずれにしてもSAPA内では、トラックや一般車など車両にかかわらず、元々専用マスを利用する車両が駐車できるよう、各ドライバーはルールや誘導に従ってほしい。
また、時折、少しでも建物施設に近いマスを確保するため、空きマスがあっても駐車せず引き続き奥の方へ突き進むドライバーも散見されるが、先述通りSAPAでは逆走ができないため、こうしてマスが見つからなければ、そのまま本線に戻らざるを得なくなることもある。空きがあればすぐ駐車するようにしたほうがいい。
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