7月の打撃トップ3は中日選手だが… 最下位・立浪監督は来季のために若手育成を重視すべきか

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立浪監督の背負う宿命

 昨季の監督就任後、地元キー局が中日戦の放送時間を延長した。平日の放送枠は午後7時から9時が基本だが、5月までは9時半まで延長し、その後はサブチャンネルでゲームセットまで放送していた。名古屋に出張したビジネスマンはホテルのテレビでドラゴンズ戦を見たときに驚いたと思うが、中継開始のオープニング映像は立浪監督。試合中も、立浪監督をワイプで抜く回数が多く、「巨人戦、阪神戦でもここまではやらないだろう? 日本ハムの新庄剛志監督(51)でもこんなに多くないはず」と驚いたのではないだろうか。

 それだけ地元に応援され、期待されての指揮官就任だったわけだが、「借金20」、2年連続最下位となれば、風向きも変わってくる。

「ドラゴンズ生え抜きのスター選手だった立浪監督だからと、これまで距離を置いていた地元企業も戻ってきました。テレビ局も視聴者プレゼントでバンテリンドームのチケットを使ってくれたり、地元企業もまとめ買いしてくれたりしています。若手育成は大事ですが、育成に重点を置き過ぎると、地元企業の捉え方も変わって来ると思います。要は、立浪監督で勝つしかないんです」(前出・同)

 立浪監督になって、視聴率が特段上がったとの報告はない。最下位に沈むチーム状況ながら、地元メディア、同財界の熱気に、ファンが距離を置いているといった感じもない。ただ、どんな状況にせよ、勝たなくてはいけないことだけは明白だ。

 好調だったメヒアが8月3日に一軍登録を外された。「異変」を訴えたのは、前日2日の阪神戦だった。3イニング目のマウンドを投げ終えた後、胸部の痛みを訴えたという。「右大胸筋損傷」の診断を受けたのはその翌日だが、立浪監督は淡々とした表情で、メヒアの交代を告げ、藤嶋健人(25)、齋藤綱記(26)、松山晋也(23)、勝野昌慶(26)、清水達也(23)、マルティネス(26)と小刻みな継投で勝利を収めている。この時点で「メヒア降板」の真相が分からなかった阪神サイドは、「今日はブルペンデーか?」と“予定の継投策”だと思っていたそうだ。

 昨年7月1日、予告先発の大野雄大(34)がアクシデントで登板を回避したときもそうだった。立浪監督は8人の投手を投入し、勝利している。「誰をどの順番で、どのタイミングで」を見誤らなかったのは指揮官の野球センスであり、勝負カンの鋭さだ。

 外国人選手の補強と野手陣の育成でしくじらなければ、地元財界が望む「立浪監督でチーム再建」は実現できるのでは?

「立浪監督はガンコな一面もあります。今オフも全ての選手補強に乗り出してくると思います」(前出・関係者)

 今季は3年契約の2年目。後半戦では来季に期待できる試合をしなければならない。進退の掛かるラストイヤーで、続投条件が「最下位脱出」ではあまりにも寂しすぎる。

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