7月の打撃トップ3は中日選手だが… 最下位・立浪監督は来季のために若手育成を重視すべきか
“外様”でクリーンアップ
立浪監督は昨年オフ、ドミニカ共和国のウィンターリーグに自ら足を運び、12球団ワーストのチーム総本塁打(62本)、打点(397点)を立て直してくれる新外国人選手の発掘に乗り出した。だが、見つけてきたアリスティデス・アキーノ(29)、オルランド・カリステ(31)、ソイロ・アルモンテ(34)は二軍暮らし。昨季の最優秀中継ぎ投手、ジャリエル・ロドリゲス(26)にも“失踪”されてしまった。
「立浪監督はドラフト、トレード、外国人選手の獲得とオフの戦力補強の全てに口を挟みました。この時点で、勝敗の責任を負わなければならない立場に変わりました」(球団関係者)
前述のメヒアは、チームの渉外担当者がリストアップしてきたそうだ。もっとも、現役ドラフトで一本釣りした細川成也(25 )、トレード移籍してきた涌井秀章(37)の活躍からして、立浪監督の日本人選手を見る眼はホンモノかもしれない。
しかし、7月26日のDeNA戦だった。3番・川越誠司(30)、4番・細川、5番・宇佐見真吾(30)のクリーンアップが組まれた。川越、宇佐見はトレードで今季途中に移籍してきた選手であり、3人とも去年までドラゴンズにいなかった。選手を「生え抜き」と「外様」で分ける時代ではないのかもしれないが、前述の月別打撃成績を合わせてこんな意見も聞かれた。
「セ・リーグの打率3傑を占めた岡林、石川、大島の3人ですが、石川が一本立ちしなければ、立浪監督のチーム改革は始まりません。若く、強いチームに作り変えようとし、大胆なトレードを推し進めましたが、完全にレギュラーを掴んだといえる若手野手は岡林だけ。石川が4番に定着するまではチームの低迷も続くのでは」(前出・同)
投手陣では髙橋宏斗(21)が出ていた。岡林、大島はチャンスメイクする側であり、出塁した彼らをホームに迎え入れる「主砲」の成長が待たれる。その主砲や大事なクリーンアップを“外様選手”が占め、日替わりで入れ替わる状況にファンはモヤモヤしているのかもしれない。
「石川はケガも多い。7月後半はベンチスタートになる日もあり、打てなくなると、立浪監督もすぐに打順を変えてしまいます」(前出・ベテラン記者)
“日替わり打線”なのは、立浪監督が勝利を最優先に考えている証でもあるが、ファンや関係者のなかには「来季以降を見据えた選手起用も」の声も強まっている。2年連続最下位も濃厚となってきた今だからこそできる大抜てきもあるだろう。
「ただし、その場合、若手に切り替えたら、育成重視を口にするファン、関係者と同じくらい、勝利を放棄したと怒る声が出るでしょう」(前出・地元記者)
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