打撃はリーグ1位でも、巨人がなかなか勝てない理由 阪神との違いは?【柴田勲のセブンアイズ】

  • ブックマーク

3位に浮上はしたが…

 巨人にとっては最後の勝負所だ。8日から本拠地・東京ドームに首位の阪神、DeNAを迎えての6連戦、ここで大きく勝ち越すことができなければ、“終戦”となろう。

 阪神には3連勝してほしいし、ダメならDeNA戦を含めて5勝1敗、これが逆転Vへの可能性を残す。

 前回の今コラム、最後を「巨人は剣が峰に立っている。1日からのヤクルト戦を最低でも勝ち越して、勢いを付けて広島に乗り込んでほしい」と締めた。

 この時点で3位のDeNAには0.5ゲーム差、阪神とは6ゲーム差だった。

 だがヤクルトには勝ち越したものの、肝心の広島には1勝2敗と負け越した。2連敗して最後は岡本和真の1試合3本塁打など今季最多の18安打13得点、投げては4投手の完封リレーで大勝した。

 こんなことはそうそうあるものではない。DeNAが阪神に3連敗したこともあって6月24日以来の3位に浮上した。でも阪神とは8ゲーム差に開いた。3位浮上といっても今後を考えるとウーンとなる。

「3分の1」をどうやって勝つか

 4日、中川皓太を投入して逆転サヨナラ負けした。正直、これで今年の巨人は終わったと思ってしまった。

 翌日は戸郷翔征に次ぐ8勝を挙げている山崎伊織を先発に立てたが、3回途中6安打4失点で早々のKO、岡本和の27号ソロなどで3点を返したが及ばなかった。

 今年の巨人、大差勝ちはたまにあっても、接戦を落とすことが多い。

 143試合、その3分の1はなにもしなくても勝てる。3分の1はどうやっても負ける。あとの3分の1をどうやって勝ちに持っていくか、ここが肝心かなめである。

 広島は地味だがコツコツと白星を積み重ねている。その戦いは粘り強い。選手層もそれなりに厚い。選手たちの性格もある。

 巨人は勝つ時は派手だが、その裏には脆さが潜んでいる。

 阪神のチーム本塁打49、打率.242はともにリーグ5位、巨人のチーム本塁打は118で断トツの1位、打率.255も1位だ。得点を見ると巨人は374で1位、次ぐのが阪神の373だ。

 巨人は本塁打頼みで得点している。毎試合2本くらい出てくれればいいが、本塁打が数試合出ないことだってある。試合運びが大雑把になっている。

次ページ:阪神の戦い方

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。