藤浪晋太郎「FUJI=ノーコン」はもはや関係ナシ 今オフ年俸大幅アップ確実でオリ・山本由伸に影響も

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1年で変わった藤浪への評価

「今オフの米FA市場の主役は間違いなく、大谷翔平(29=エンゼルス)です。こちらは『4年2億ドル』(約270億円)からの交渉スタートです。でも、大谷クラスの大物と交渉できるのは大都市を本拠地とするごく一部の球団だけ。実績がそこそこあって、年俸も高くない投手に絞って交渉するチームも少なくありません」(ア・リーグ中部地区球団スタッフ)

 藤浪の年俸が倍増されても、高額年俸クラスには入らない。しかし、前例は作ってしまった。日本のプロ野球界での実績らしい実績がなくても、メジャーリーグで通用する。その「日本のプロ野球界」をマイナーリーグや旧在籍チームに置き換えて、「環境に恵まれなかった。チャンスがあれば、藤浪のように……」と主張してくる中堅クラスの選手も出てくるだろう。前出のア・リーグ中部地区球団スタッフは、「金銭的には最終的にお互いが納得できる金額になったとしても、交渉が長期化しそう」と“警戒”していた。

「アスレチックスが藤浪放出を決めた理由は主に2つ。325万ドルでも藤浪の年俸はチーム5傑に入っていました。資金難のチームですから、売れるものは売ってしまえと思ったんでしょう。また、藤浪は先発に戻りたいと思っています。それには応えられないとの判断です」(前出・地元メディア関係者)

 いったんフリーエージェントになり、「先発投手」として、改めてMLB各球団に売り込みを掛けるのではないだろうか。たしかにあのスタミナは脅威だ。トータル41試合に投げているが、スタミナ面にはまったくの問題はなく、シーズン序盤に先発投手としてやっていたころ、イニングを積み重ねても100マイル近い剛球をガンガン投げ込んでいた。

 オリオールズがリリーバーとして僅差の試合でも登板させたように、「もう一度、先発投手としてトライさせる。ダメでもタフネスなリリーバーになってくれる」と判断するMLB球団も現われるのではないだろうか。

「今オフ、MLBに挑戦するといわれているオリックスの山本由伸(24)は大型契約が予想されています。千賀滉大(30=メッツ)の5年7500万ドル(約98億円)と同等の条件提示が予想されていましたが、藤浪となら『1年800万ドル』で契約できそう。長所も短所も分かっている藤浪のほうがリスクも少ない。そう考えると、山本や同じく今オフの挑戦が予想されている日本ハムの上沢直之(29)らに高額な交渉をする必要もないのでは」(前出・ア・リーグ中部地区球団スタッフ)

 8月4日のメッツ戦、藤浪が9回最後のマウンドを託され、無失点に抑えた。セーブポイントのつかない状況ではあったが、オリオールズのファンは球団フェイスブックなどで好意的な書き込みをしていた。

 1年でこれだけ評価を変えるヤツはいない。大差で投げていても、四死球でハラハラさせてくれる――。「FUJI人気」の高まりが米FA市場の相場も変えようとしている。

デイリー新潮編集部

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