【らんまん】万太郎を次々と不幸が襲う、その意味、主題歌「愛の花」との関係も鮮明に

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

あいみょんの「愛の花」の存在感が増す

 万太郎にとって植物学教室を追放されるより堪えたのは、子供のころから慕い続けた博物館の野田基善(田辺誠一・54)と里中芳生(いとうせいこう・62)に頼んだ博物館入りを断られたことではないか。頼りにした人が、救ってくれないのは辛い。第88話だった。

「申し訳ない。大学と博物館は協力関係にある」(里中)。祖母のタキ(松坂慶子・71)によって青春期まで庇護されてきた万太郎が、情だけで物事は動かないという現実を知った。

 何よりの不幸せは第90話での第1子・園子の死だ。あいみょんが書き下ろした曲「愛の花」がどうして主題歌なのかが鮮明になった。

<私は決して今を 今を憎んでいない>。これは無収入の万太郎の大成を信じて疑わず、懸命に支えた寿恵子の思いと重なり合う。

 園子の死を思わせるのは次の部分だ。<涙は明日の為 新しい花の種>。園子を失い、万太郎と寿恵子は悲しみに暮れたが、それでも再び歩み始めなくてはならない。第2子もいるのだから、いつまでも悲しんでばかりはいられない。ほかにも歌詞の中には万太郎と寿恵子の未来を暗示するような部分がある。

 正直なところ、放送開始からしばらくの間、なぜ「愛の花」が主題歌なのかピンと来なかった。今は聴くたび、胸に迫る。同じような視聴者は多いのではないか。

次ページ:竹雄、綾を同時に不幸にした狙い

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。