「内部告発はこうして握り潰された」ビッグモーター前社長の甥が衝撃の独白! 前社長に不正を通報すると「仲良くせい!」

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“金が狂わしたのかな”

 一方の宏一氏は、

「小さい頃は、体が弱くてね。ちょっと暗くて、気が弱い感じでした。でも頭は良く、親戚の間では“ビッグを継げるのはこの子しかおらん”と言われていました」

 その子が会社を存続の危機に陥らせているのだから、これまた皮肉な話である。

 新体制のビッグモーターに、なぜ内部告発をもみ消したのか尋ねると、

「告発者と工場長の個人的な確執により、誇張されたものにすぎないだろうという先入観を持っていたため、十分な対応ができませんでした。不適切であったと深く反省しております」

 と回答。しかし、現在の同社を巡る危機的状況を見れば、その「反省」は後の祭りと言わざるをえない。

 甥が事件発覚後、前社長の実兄に当たる、自身の父と話した時のこと。

「父は社長と長い間、連絡を取っていないんですが、“あいつもお金に困っていたんかなあ”と呟(つぶや)いていてね……」

 それどころか、本誌(「週刊新潮」)8月3日号でも報じたように、兼重氏は資産管理会社の名義で東京都目黒区に噴水・滝・茶室付きの大豪邸を構え、軽井沢や熱海に別荘を建築。クルーザーまでも所有する大富豪である。

「だから、ネットに上がっている豪邸の写真を送って、“見たか。ホテルみたいだろ?”と言った。そしたらポツリと“金が狂わしたのかな”と……」

 辞任後、兼重氏はLINEアカウントを削除。甥も連絡を取っていないという。

 内部告発はこうして握り潰された。すべての組織人にとって、他山の石としたい顛末である。

週刊新潮 2023年8月10日号掲載

特集「ドンに通報も『仲良くせい!』と黙殺 『ビッグモーター』前社長の甥が初めて明かす『内部告発はこうして握り潰された』」より

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