「立浪監督」“血の入れ替え”を断行も最下位独走中…既存戦力を生かせない中日と上位球団の大きな差

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現在の成績の差は“首脳陣の差”

 若手や他球団から加入した選手でチームを作り変えることは、もちろん一つの手である。だが、チームの再建に向けて、実績がある選手を生かしきれないことは、やはり大きな問題と言わざるを得ないだろう。

 一方、セ・リーグで首位争いを展開する阪神と広島は、既存戦力の掘り起こしが成功しており、中日とは対照的だ。阪神は、年々成績を落としていた木浪聖也がショートに起用されて見事に復活したほか、広島では、野間峻祥や田中広輔ら、30代の選手が躍動している。もちろん、中堅、ベテラン以外の選手も機能しているが、オフに大きな補強がなくても、チームの成績が向上したことを考えると、現在の成績の差は“首脳陣の差”と言われても致し方ないだろう。

 中日ファンの間では監督を交代させるべきという声が少なくないが、3年契約を結んでいることもあり、来年も立浪監督が指揮を執るのが“既定路線”となっている。これまでのやり方に固執することなく、既存戦力の底上げができるのか。残りのシーズンで変わらないといけないのは、立浪監督自身なのかもしれない。

<中日の新戦力の成績一覧>(8月2日終了時点)
涌井秀章:16試合3勝11敗 防御率4.55
砂田毅樹:17試合0勝1敗 1ホールド 防御率4.97
斎藤綱記:10試合1勝0敗 2ホールド 防御率0.00
細川成也:91試合 97安打 14本塁打 54打点 打率.287
宇佐見真吾:27試合28安打1本塁打7打点 打率.368
川越誠司:8試合4安打 0本塁打 1打点 打率.286
※細川、宇佐見、川越の盗塁数は0

<中日から移籍した選手の成績一覧>(8月2日終了時点)
笠原祥太郎(DeNA):2試合0勝2敗 防御率4.50
山本拓実(日本ハム):10試合0勝0敗 1ホールド 防御率2.53
郡司裕也(日本ハム):16試合 15安打 1本塁打 7打点 1盗塁 打率.306
京田陽太(DeNA):74試合 45安打 1本塁打 6打点 2盗塁 打率.226
阿部寿樹(楽天):36試合 16安打 1本塁打 8打点 0盗塁 打率.180
高松渡(西武):移籍後は一軍出場なし

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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