大谷翔平「左わき腹痛」は重大なサイン 唯一無二の肉体も限界? 日ハム時代に原因があるとの指摘も

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リーグ最速ホームランを打ったものの

 日本時間8月4日、エンゼル・スタジアムで行われたマリナーズ戦で、エンゼルス大谷翔平(29)は8回の第4打席で、今季両リーグ最速の40号ソロを放った。「2番・投手兼指名打者」での出場だったが、4回に右手の指の痙攣で降板したものの、見事な一発を放った。

 だが――二刀流を支えてきた肉体が“悲鳴”をあげている。

 同8月1日、トゥルーイスト・パークで行われたブレーブス戦で、大谷は「2番DH」で出場。2点リードで迎えた9回表の第5打席だった。打球は快音を残して高々と挙がったが、センターのフェンス際で中堅手がジャンプ。「あとひと伸び」がなく、40号アーチとはならなかった。

 大谷はベンチに戻りながら口を「へ」の字に曲げていた。その様子からして、「ホームランにできる投球を打ち損なった」ようだが、こうも捉えられていた。

「同7月28日のタイガース戦で左の脇腹を痛めている。筋肉が痙攣したと言っていたが、その影響ではないか?」

「その筋肉が痙攣を起こした28日は、ダブルヘッダーでした。第1試合では『2番DH兼先発投手』として出場し、被安打1のメジャー初完投初完封。続く第2試合では、『2番DH』で、2本のホームランを放っています。完封劇からおよそ1時間でホームランですからね。スゴイのひと言しかありません」(米国人ライター)

 7月の大谷は投手として4試合に登板し、28日のメジャー初完投初完封を含む2勝(2敗)を挙げている。「打者」としては23試合に出場して78打数22安打、打率2割8分2厘、本塁打9、打点14、OPS1.152。24~30日(現地時間)の週間MVPにも輝いており、月間MVPの有力候補にも挙げられた(8月2日)。結果、6月に続いて2か月連続受賞となり、自身が持つ日本人単独最多回数を更新することになった。しかし、筋痙攣を理由に途中交代をしたのも、そのダブルヘッダーの行われた28日だった。

 早いもので、今シーズンも100試合を過ぎた。昨季から「二刀流」は投球回数と打席数の両方で規定回数に達している。この異次元の2人分の活躍を1人でやっているのだから、脇腹の筋肉が悲鳴をあげたとしても決しておかしくはないのだが、この大谷の肉体管理と進化は、今オフの去就問題にも影響してきそうだ。

顕微鏡と望遠鏡、両方使えるレンズ

「近年の活躍が凄すぎて、ファンも忘れているかもしれませんが、大谷はMLB1年目の18年9月にトミー・ジョン手術を受け、19年にも左ヒザにメスを入れています。20年には右屈曲回内筋を痛めています。オフにケガ防止、パワーアップ、技術向上のためのトレーニングをし、その効果で21年はMVP、22年は投打で規定数到達と活躍できました。彼のストイックさには頭が下がりますが、ダブルヘッダーの初戦で先発完投し、その約1時間後にホームランを打っているんですよ。体が悲鳴をあげたとしても何の不思議もありません」(前出・同)

 その「二刀流」を支える肉体について、特に今年がそうなのだが、試合前のグラウンドでキャッチボールをするときの大谷の右上腕筋に視線が集まっている。オフのトレーニングでぶっとくなったのはもちろんだが、血管や筋肉が浮き出ていて、「特大ホームランはあの逞しい二の腕があるから打てるんだ」と納得する者もいれば、

「あんなに太くして、ピッチャーを続けていけるのか? 腕が太く重たくなれば、その分、スタミナを消耗して非効率になるのに…」

 と、首を傾げる関係者もいた。

「対戦チームのコーチ、選手たちが『投手としては太すぎる』と言っていました」(現地メディア関係者)

「打者・大谷」に必要なパワーと、「投手・大谷」が継続しなければならないしなやかさとスタミナ。そんな真逆な方向を向いたトレーニング方法をやっているわけだ。米メディアは「たとえるなら、顕微鏡と望遠鏡の両方に使えるレンズ」と伝えていたが、そんな大谷の“唯一無二の肉体”のヒミツはシーズンオフにある。

 オフの間、大谷は米シアトル市郊外にある「ドライブライン・ベースボール」なるトレーニング施設に行き、打者と投手の両方において正しい動きを習得するためのトレーニングを行う。体の48箇所に測定センサーをつけて、打撃や投球を行い、その動作を解析。データをコンピューターに入力して適切なトレーニングメニューや、各々に合った動きを習得させるためのプログラムが組まれる。

「大谷は『投手』として肩やヒジに負担を掛けない投げ方を、『打者』としてはスイングスピードを上げる練習をサポートしてもらっています。また、彼は完全なアッパースイングですが、『バレルゾーン』に打球を乗せるための技術的なアドバイスも受けているそうです」(前出・同)

 バレルゾーンとは、打球速度が98マイル(約158キロメートル)以上、打球角度が26~30度の範囲内のことで、その速度と角度で打球を飛ばすとホームランになりやすいという。

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