怪物・江川卓が明かした「浮き上がるボール」の秘密 「普通はボールが抜けるけど、僕は抜けない」(小林信也)

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〈作新学院2年の江川卓がまたノーヒットノーラン〉

 そんな見出しが新聞を賑わせたのは1972年の夏だ。江川はその夏の栃木大会で、完全試合を含む3試合連続ノーヒットノーランを記録。続くブロック決勝でも延長10回二死まで小山高を無安打に抑えたが、11回裏にスクイズを決められ、甲子園に届かなかった。

 江川が甲子園に姿を現したのは73年春のセンバツだ。それは想像を絶する投球だった。バットがボールにかすりもしない。2回表、北陽高の5番打者有田二三男が江川の23球目を初めてバットに当て、スタンドにファウルが飛んだ時、ウォーッというどよめきが起こった……。...

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