「中国の検閲を受け入れる映画には協力しない」ペンタゴンが表明 中国に悩まされてきたハリウッドに異変が
くまのプーさん
この映画に深く関わっていたのがペンタゴンである。
「『トップガン』のように軍が登場するアクション映画には、ペンタゴンは依頼があれば戦闘機や軍艦を貸し出します。宣伝にもなるからですが、無論、人手を割いて台本チェックや安全管理などを行います。なのに中国への忖度でシーンがカットされたり、ストーリーが変更されたりする。これは本来、製作サイドからしても不都合きわまりない。中国の検閲を許す作品への協力を拒む判断は正しいと思います」(デーブ氏)
以後、北京当局が介入を断念しない限り、せっかくヒットが見込めそうな軍事モノの大作でも、中国は関与できなくなったのだ。金を出す意味がないのだから。
中国による検閲に、長く悩まされてきた米映画界。
「18年公開の『プーと大人になった僕』が中国では上映禁止になりました。くまのプーさんは以前から習近平主席に似ていると言われ、それだけで検閲対象とされていた。しゃれの通じない人です」(同)
作品外での中国批判にも過敏
他にもある。映画評論家のバフィー吉川氏によれば、
「21年公開の『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』で、中国は製作側にニューヨークの自由の女神像を消すよう迫ったとされます。作品外での中国批判にも過敏で、たとえば中国出身のクロエ・ジャオ監督がアカデミー賞を受賞しても、彼女の過去の政府批判発言を理由に中国では一切報道されませんでした」
先のジャーナリストも、
「チベット問題で中国を批判したリチャード・ギアはハリウッドで干されてきた。キアヌ・リーヴスやシャロン・ストーンも同じく中国批判で活躍の場が限られていた。彼らの俳優としての価値とは無関係に、です」
中国がカネと共に去り、名優たちが復活するなら、英断の効果は世界最強?