「中国の検閲を受け入れる映画には協力しない」ペンタゴンが表明 中国に悩まされてきたハリウッドに異変が
英断と評する声が多い。6月末、アメリカ国防総省(ペンタゴン)が明らかにした方針についてである。いわく、中国の検閲を受け入れる映画やテレビには今後協力しない――。スクリーンのウラで繰り広げられてきた、ハリウッドと中国の攻防とは。
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「ハリウッドはチャイナマネー欲しさにスピリットまで売ってしまったのはよくなかったですね」
そう語るのは、テレビプロデューサーのデーブ・スペクター氏。この指摘を理解するには、過去にハリウッドと中国がどれほどズブズブだったかを知る必要がある。米国事情に詳しいジャーナリストによると、
「2010年ごろから中国の映画市場は急拡大し、チャイナマネーがハリウッドを席巻しました。中国企業の出資を受けた作品が相次ぐようになったのです」
中国を悪く描くことがタブーに
だが、これはさながら悪魔の取引だった。
「中国を批判的に扱う描写や、中国人を悪役として登場させることなどがタブーとなりました。製作時には中国政府と中国市場を意識しての忖度が必須となったわけです。さらには中国での公開が、政府の検閲の末にNGとされることも多々。当然、こうした状況を憂う映画人もいました」(同)
そこに一石を投じたのが、22年公開のトム・クルーズ主演「トップガン マーヴェリック」を巡る騒動だ。
「トム演じる主役マーヴェリック大佐が着るフライトジャケットには、もともと日本と台湾の旗のワッペンがあしらわれる予定でした。それが19年発表の予告編で変更されていたのです。中国企業が出資していたための政治的配慮だと世論が紛糾。結局、中国企業が出資を取りやめ、ワッペンは元通りになりました」(同)
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