ペットショップ「クーアンドリク」の杜撰すぎる契約書 「広告の3万3250円がなぜ…」「断ったはずの生命保障制度に加入させられていた」
他にもトラブルが起きている?
B子さんはこう憤る。
「最初からデタラメな案内をして怪しい契約を結ばせたにもかかわらず、契約書を盾にフードサービスの解約金を要求するなんておかしいでしょう。しかも、店側は、ワクチン証明書を引き渡し時にくれなかったんです。3カ月ほど経って去勢手術した時にそれに気づき、電話してからようやく送ってもらいましたが、それがなかったので、手術時に私は病院で『メディカルチェック代』5000円も余計に負担することになりました」(同)
ちなみに、定期フードプランについては前編で紹介したA子さんもこう訴える。
「ウチの子の場合は家に来てすぐ入院して病院で出されたフードに慣れてしまったため、クーアンドリクから送られてくるフードは全く口をつけないのです。本部のサービスセンターに電話して事情を説明して、解約できないかと相談したものの、解約金8万円を支払うしか方法がないと言われた。向こうが病気の犬を購入させてきたために起きたトラブルなのに、なぜこっちが泣き寝入りばかりしなければならないのか納得できません」(A子さん)
ちなみに、A子さんの元に送られてくる定期フードも5.4キロ分。愛犬の体重は3キロ弱で、もしこの餌を食べていたとしても、B子さん同様、大量に余ってしまうという。
クーアンドリクはB子さんとのトラブルについて、書面で下記のように回答した。
〈B子様とは、当初、直接やり取りをさせていただき、その後、消費者センターを介したやりとりをさせていただいておりました。2022年12月26日にご相談があって以降、消費者センター経由も含め複数回にわたるやりとりをさせていただいておりましたが、途中で消費者センター経由の連絡がB子様より途絶えてしまっていました(註・B子さんによると、「消費者センターに電話がつながりにくかった」などの理由)
今回、このようなお申し入れをいただいたことで、弊社の説明責任という観点から足りていなかった部分があったのではないかと反省しておりますが、弊社としても消費者センターを通じてB子様のご意向にそった協議を進めさせていただいておりましたので、今回のお申し入れについては非常に困惑しております。
今後につきましては、B子様のご要望を踏まえて個別にご対応させていただく所存です〉
国民消費者センターによると、ペットやペットフードの購入をめぐるトラブルはこの数年増加の一途を辿っている。2019年度は2462件、20年度は2883件、21年度は3309、22年度は3772件。この中には、ペットフードの定期購入や生命保障制度の加入をめぐるトラブルも含まれているが、担当者は「業者が特定できる事案については従来からお答えしていない」
と話す。
クーアンドリクは1999年の創業。ペットブームに乗じて20数年で全国に216店舗を展開するほど急成長した最大手である。一方、ネットやSNS上には、今回紹介した話と同様の契約トラブルを訴える書き込みが散見される。急拡大の陰で、強引な営業手法が蔓延していた可能性があるのではないか。