「瑠奈容疑者が来店した時に“恐怖体験”が…」 札幌・首切り殺人事件、ススキノの街で容疑者が見せていた“異常”な素顔
“一杯飲めませんか”
「瑠奈容疑者が何度か来店したのですが、その時にちょっとした“恐怖体験”がありまして……」
そう明かすのは、容疑者宅近隣にある飲食店の店長だ。
「決まって深夜1時とか2時、閉店した後に“一杯飲めませんか”って来るんですけどね。私が片付けを終えてトイレから出たら、薄暗いカウンターに座っていて、本当に驚いて声を上げそうになった。“ごめんね、今日はおしまいなんだよ”って断っても、“分かりました。じゃあ、居てもいいですか”とカウンターに居座って、スマホをいじるでもなく黙ったまま動かない。酔っ払っているわけでもなく10分くらいそのままなんです。“タクシー呼ぼうか”と声をかけたら、“近所なんで大丈夫です”と帰って行く。不思議な子だったんで、よく覚えていますよ」
容疑者宅の最寄り駅近くにある居酒屋の店主は、
「瑠奈容疑者が予約の電話をかけてくるんですが、いつも人数は2人だったので“テーブルかカウンターになります”って説明すると、決まって“座敷は空いてないんですか”と。ウチは団体さんも来るので、4人以上じゃないとダメだと説明しても、彼女は“座敷にしてください”と、キツい口調で譲らない。それで仕方なく来店時に“大勢のお客さんが来たら、席を替わってもらいます”と言っても納得いかない様子で感じが悪かった。毎回、同年代の子たちといわゆる女子会をしていましたが、どちらかというと、彼女は料理よりも日本酒を頼んだり、お酒が好きでしたね」
ちなみに彼女は小学校の卒業アルバムに掲載された写真の面影を残し、整った顔立ちで目を引く存在だったという。紅灯の巷を徘徊し、出会った人々の心の中に強烈な印象を残していたのである。
「お祝いに万年筆を」
今後、捜査が進み起訴となれば、公判の中で事件の全体像が示されていくことになる。瑠奈容疑者が抱える心の闇、それに翻弄され続けた両親の胸の内はどこまで解明されるのか。
修容疑者の兄に聞くと、
「(瑠奈容疑者と)最後に言葉を交わしたのは、高校に入る時です。私がお祝いに万年筆を贈ったら、お礼の電話がかかってきた。弟とも10年ほど前の母の三周忌で会ったのが最後ですからね。私は今回の事件で報道されていることについて否定も肯定もできません。少なくとも、自分が知っているのは普通の一家だったということだけです」
こなた被害者の遺族であるAさんの叔父は、
「なんでこんなことになったのか。先週、亡くなったAの姉に電話したら、“びっくり仰天。なんで巻き込まれたのか考えられない”と戸惑っていましたよ……」
遺された人々の困惑は深まるばかりである。
コンビニで氷を買い占めるなど、事件後に容疑者一家が見せていた異常な行動については、前編を読む。
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