「井上組長に命を賭けている」 東京拘置所にいる神戸山口組若頭補佐への差し入れがストップとなった意外な理由

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「襲撃のロケハン」に

 神戸山口組の若頭補佐で2代目英(はなぶさ)組の藤田恭右組長と組の若い衆とされるフィリピン国籍の男が傷害容疑などで警視庁に逮捕されたのは、2022年7月2日のこと。藤田組長はその後、起訴されて東京拘置所にいるのだが、差し入れがストップされているという。なぜか――。

 藤田組長が逮捕されるまでの経緯を振り返っておこう。昨年7月、東京都内にある藤田組長の自宅に、敵対する6代目山口組系の関係者が「襲撃のロケハン」に来ていた。その男性が動画を撮影するなどしていたところ、2代目英組の若い衆が出て行き揉め始め、そこに藤田組長も加勢。結果的に藤田組長がその男性をナイフで刺してしまう。

 110番通報が入って警察官が現場に到着した際、刺された状態のこの男性は、6代目山口組傘下の3代目弘道会・3代目竹内組内2代目堀田組の名前を出したとされる。あくまでもロケハンのつもりだったが、返り討ちにあってしまった格好だろうか。

6代目直参から絶縁処分に

 その後、藤田組長は若い衆と共に警視庁小松川署に出頭した。

 出頭直前の藤田組長から電話を受けたという竹垣悟氏(元山口組系義竜会会長で、現在はNPO法人「五仁會」を主宰)は会話の内容をこう話す。

「藤田組長の先代・英五郎英組組長と私との関わり合いなど世間話をした後、藤田組長は“自分は井上(邦雄・神戸山口組)組長に命を賭けている。井上組長のことを頼んどきます”と言っていましたね。私は個人的に何かを頼まれる関係ではないのですが、酒も入っていたようですし、色んな思いが交錯していたせいなのかもしれません」

 若いころにボクシングをやっていた藤田組長は2013年に6代目山口組の直参となったが、過去に覚せい剤事件に関与し、執行猶予中であることが露見して絶縁処分を受けた過去がある。山口組はかねて薬物はご法度で、中でも6代目の司忍組長はその方針を徹底してきた。藤田組長自身、その事実を事前に執行部側に伝えており、隠ぺいしたつもりはなかったが、受け入れられなかったようだ。

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