「東芝劇場」ついに終幕への全“迷走劇” 名門企業を凋落に至らしめた「戦犯」とは
経産省主導
では、結局、東芝凋落の「戦犯」は誰なのか。
東芝は不正会計事件に続き、米原子力子会社「ウェスチングハウス」の経営破綻で1兆2400億円を超える巨額赤字を計上。17年12月、6000億円に上る第三者割当増資を実施し、その代償として60社ものアクティビストを含む投資ファンドを引き入れる結果に。だが21年1月、東芝が債務超過で降格した東証二部(当時)から一部へと返り咲くと、投資ファンドの多くは利益確定のうえ、株主名簿から消えていった。
「それでも、東芝からなおも搾り取れると踏んだエフィッシモなどは居座り続け、経営陣との対立を深めました。防衛関連や原発事業を手掛ける東芝は、いわば“国策企業”。ゆえに、経産省主導のもと、アクティビスト退治の切り札が送り込まれた。その人物が、三井住友銀行元副頭取でCVCキャピタル日本法人の会長を務めていた車谷暢昭元社長でした」(つづく)
「週刊新潮」2023年7月27日号「MONEY」欄の有料版では、東芝の混乱ぶりと東芝を凋落に至らしめた「戦犯」について詳報する。
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