【エッフェル塔前でポーズ】自民党のホープがまさかこの程度だったとは…専門家が「バカッターと同じ」と指摘する理由

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バカッターと同じ内容

 人間、学歴が全てではない。とはいえ、松川氏の学歴と経歴はあまりにも立派だ。大阪の四天王寺中学校・高等学校から東京大学法学部。外務省に入省し、2016年7月の参議院議員選挙で初当選を果たした。

「たぶん松川さんとしては『パリ出張の激務の合間、リラックスしたプライベートショットをSNSに投稿すれば、支援者や有権者は喜んでくれるだろう』という狙いがあったのだと思います。しかし、それは全くの勘違いだったと言わざるを得ません。松川さんの投稿は本質的にバカッターや迷惑系ユーチューバーと同じ内容だからです」

 松川氏がエッフェル塔の前でポーズを取った写真をSNSに投稿したことは、回転寿司で醤油差しを舐めたり、回計前の食品を勝手に食べたりする動画を投稿したことと変わらないという。

「ポイントは『大阪の仲間と』というタイトルです。バカッターの多くは仲間うちのノリを優先し、世間一般の人がどう受け止めるかを判断できず、SNSで醜態をさらしました。松川さんも身内ノリでエッフェル塔の写真を投稿したのですから同じ構図です。背景にあるのは承認欲求でしょう。バカッターは友達に『いいね!』をしてほしくて過激で非常識な投稿に手を染めます。松川さんも支援者に『いいね!』を求め、『ありきたりではない写真』を投稿しようと考えたのではないでしょうか」(同・井上氏)

政治家が炎上する理由

 今井氏の場合は、「松川さんに成り代わっての反論は今井さんに求められる役割ではなかったですし、その能力もありませんでした」と井上氏は指摘する。

「今井さんが何を言おうとも、多くの国民は『だって、あなたは不倫をした人でしょ』と思うに決まっています。今井さんは『不倫と外遊は別の問題』と反論するかもしれませんが、世間は一緒の問題だと判断します。さらに彼女はSNSにおける誹謗中傷の問題も指摘しました。大切な論点であることは言うまでもありませんが、世間は『あなたが言う?』と呆れて終わりました。結局、今井さんが論争にしゃしゃり出たことは、松川さんが引き起こした炎上に燃料を投下しただけとなり、かえって松川さんに対する批判も強めてしまいました」

 SNSの投稿が炎上した国会議員は決して少なくない。維新をヒトラーと批判した立憲民主党の菅直人元首相(76)、小池百合子・東京都知事(71)を揶揄したとされた共産党の小池晃氏(63)、《主権者たる人民》の文言が批判された立憲民主党の石垣のりこ参議院議員(49)などなど……。

 岸田文雄首相(66)も2020年9月の自民党総裁選で「椅子に座って食事をする岸田氏とエプロンを着て立っている妻」の写真を投稿。「夫婦に見えない。ご主人様とメイド」などと炎上した。

「政治家がSNSで炎上するのは“下心”が透けて見えるからです。彼らは『自分が投稿した結果、有権者は自分に投票してくれる』ことを狙っています。SNSを単なる政治活動と捉え、普通の読者が何を考えているかは見過ごしてしまいがちです。結果、一般常識とはかけ離れた内容の投稿をしてしまうのです」(同・井上氏)

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