「切断した首を“獲物を誰にも渡さない”とばかりに大事に」「袋詰めの氷を買い占め」 札幌・首切り殺人事件、容疑者一家の“奇行”の数々

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首を「まるで捕らえた獲物を誰にも渡さないとばかりに大事にしていた」

 札幌・ススキノのホテルで男性(62)が殺害され、頭部が切断された遺体で見つかった事件。北海道警は死体遺棄などの疑いで、田村瑠奈容疑者(29)と父親で精神科医の修容疑者(59)、母親の浩子容疑者(60)の一家三人を逮捕した。瑠奈容疑者が複数回訪れていた飲食店の店長が経験した、彼女にまつわる“恐怖体験”とは――。

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 道警の家宅捜索で、被害者の首は驚くべき状態で見つかっていたというのである。 捜査関係者が明かすには、

「容疑者宅の2階にある浴室で発見された首は、腐敗が進んでいたこともあって、被害者本人かどうかの確認には歯形の鑑定が必要でした。そのような状態にまでなった首なら一刻も早く処分するか、せめて視界に入らないように隠すかするところ、瑠奈容疑者は、まるで捕らえた獲物を誰にも渡してなるものかという具合に、大事にしていた様子が見受けられたというのです」

袋詰めの氷を買い占め

 しかも、父親までもが率先して娘の蛮行に加担していた節があるという。

 田村容疑者宅の近所にあるコンビニ従業員はこう振り返る。

「切断遺体発見のニュースを聞いてから数日後、瑠奈容疑者の父親が氷を買い占めに来たんです。袋詰めの氷を10個も抱えて帰っていったのですが、おかげで店の在庫が全部なくなってしまいました。今思えば首を冷やすためだったんじゃないかと……」

 さる近隣住民も一家の異変を感じていたと話す。

「田村さんの家の玄関横に大きめのクーラーボックスがいくつも積まれていてね。あそこのお宅は、キャンプが趣味なんて聞いたこともなかったので、何でなんだろうと思っていた」

「今日はおしまいと伝えても、“じゃあ、居てもいいですか”」

「瑠奈容疑者が何度か来店したのですが、その時にちょっとした“恐怖体験”がありまして……」

 そう明かすのは、容疑者宅近隣にある飲食店の店長だ。

「決まって深夜1時とか2時、閉店した後に“一杯飲めませんか”って来るんですけどね。私が片付けを終えてトイレから出たら、薄暗いカウンターに座っていて、本当に驚いて声を上げそうになった。“ごめんね、今日はおしまいなんだよ”って断っても、“分かりました。じゃあ、居てもいいですか”とカウンターに居座って、スマホをいじるでもなく黙ったまま動かない。酔っ払っているわけでもなく10分くらいそのままなんです。こちらが“タクシー呼ぼうか”と声をかけたら、“近所なんで大丈夫です”と帰って行く。不思議な子だったんで、よく覚えていますよ」

 容疑者宅の最寄り駅近くにある居酒屋の店主は、

「瑠奈容疑者が予約の電話をかけてくるんですが、人数は2人だったので“テーブルかカウンターになります”って説明すると、決まって“座敷は空いてないんですか”と。ウチは団体さんも来るので、4人以上じゃないとダメだと説明しても、彼女は“座敷にしてください”と、キツい口調で譲らない。それで仕方なく来店時に“大勢のお客さんが来たら、席を替わってもらいます”と言っても、納得いかない様子で感じが悪かった。毎回、同年代の子たちといわゆる女子会をしていましたが、どちらかというと、彼女は料理よりも日本酒を頼んだりお酒が好きでしたね」

 今後、捜査が進み起訴となれば、公判の中で事件の全体像が示されていくことになる。瑠奈容疑者が抱える心の闇、それに翻弄され続けた両親の胸の内はどこまで解明されるのか――。8月3日発売の「週刊新潮」では、一家の支配構造、そしてどのような罪に問われるのかについて詳報する。

週刊新潮 2023年8月10日号掲載

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