岡田阪神は夫婦二人三脚でも「外国人選手に恵まれない」謎 緊急補強のブルワーに契約書で異例の注文

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チームスローガン「A.R.E.」の発案者

 そんな外国人選手に対する気配りは、指揮官に就任する前から続けられていた。それも「20代の現役選手のころから」だという。

「現役時代、いっしょにプレーした外国人選手の家族のサポートもしていました。夫人に『電車移動や買い物で苦労してるみたいだから、助けてやってくれ』と頼んでいました。夫人は英語、フランス語、スペイン語が話せる才女です。岡田監督が現役引退し、コーチ、監督になってからは選手たちと距離を置くようになりましたが」(前出・同)

 岡田監督夫人の陽子氏は父親の仕事の関係で中学、高校時代はカナダのモントリオールで過ごした。カナダの短大を卒業し、帰国後は上智大学外国語学部で学び直している。日本ビクターに就職し、外国語資料の翻訳も担当していたそうだ。馴れ初めは不明だが、「交際していたころの岡田監督は夫人の前で手品などを披露していた」との話も聞かれた。

「岡田夫人が外国人選手の家族と親しくすることで、いっしょに来日した家族は寂しい思いをすることもありませんでした。また、岡田監督がオフにテレビ出演する際、『スタイリストはいらない』と言われています。夫人の洋服を選ぶセンスが完璧なんです」(関西キー局スタッフ)

 去る7月25日、吉田義男氏(90)の卒寿を祝う会が開かれた。阪神OB、歴代球団幹部、芸能関係者も集結し、そこで吉田氏は興味深い話をしていた。

「知ってますか? (チームスローガンの)『A.R.E.』は(岡田監督の)奥さんが考えてくれたんです。内助の功が素晴らしいです」

「アレ」は、岡田監督の口グセ。野球のことを語らせたら、話が止まらなくなり、多岐に話題が広がるため、岡田監督も「アレが、アレで…」とヘンな喋り方になる。チームスローガンの「A.R.E.」は阪神スタッフがパロディでつけたと思われていた。吉田氏の話が本当なら、「Aim=目標」、「Respect=野球、先輩を敬う」、「Empower=個々のパワーアップ」の言葉を見つけ、指揮官の口グセと合致させた夫人はコピーライターの才能にも溢れた女性だ。

「A.R.E.のスローガンが発表されたとき、阪神OBたちは『Respect』が入ったことを喜んでいました。みんな球団に愛情と誇りを持っていますから」(前出・関係者)

 そんな夫婦二人三脚で外国人選手を支えてきた岡田監督が「助っ人に恵まれない」とは、皮肉としか言いようがない。特別補佐の肩書きも持つOBの藤川球児氏(42)が緊急渡米し、「来季以降のルート開拓」を命じられたのは、岡田体制での外国人選手に恵まれない状況を何とかしなければならないと球団も思ったからだろう。

「8月上旬に来日するブルワーの契約書には、『クイックモーションを練習しておけ』と書かれています。ブルワーも最初はビックリしたそうです。でも、岡田監督が日本で通用するための必須事項だから、契約書に書いておけと言って譲らなかったんです」(前出・同)

 ブルワーも指揮官の熱意を聞かされ、「Yes, sir」と答えたという。8月上旬の来日では早くても同月半ばからの一軍合流となる。残り全試合に登板したとしても、40試合程度だ。それでも戦力になってもらわなければ困る。「A.R.E.=優勝」のため、もう一度、夫人に家族サポートをお願いするかもしれない。

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