岡田阪神は夫婦二人三脚でも「外国人選手に恵まれない」謎 緊急補強のブルワーに契約書で異例の注文
首位攻防戦を2勝1分けで勝ち越したが……
広島との首位攻防戦第2ラウンドだった(7月29日)。阪神・岡田彰布監督(65)はリリーバーのカイル・ケラー(30、以下Kケラー)を出場登録から外した。翌30日の同カードではベンチ入りさせたものの、出番はナシ。29日は4時間56分に及ぶ痛み分けの死闘、先発・青柳晃洋(29)が7イニングを投げたのに、同日ベンチ入りさせた9投手のうち、7人を投入する“総力戦”だった。
30日の第3ラウンドも「継投策」がカギとなった。8回表は先発・伊藤将司(27)、加治屋蓮(31)、島本浩也(30)が1アウトずつを取るワンポイントリレーが強行された。暑い夏場のゲームを制するには1人でも多くのリリーフ投手が必要となる。加治屋、島本、岩崎優(32)は連投である。登板過多で大事なリリーバーを無駄に消耗させたくないはずだ。なのに、岡田監督は30日もKケラーを使おうとしなかった。
「ここまでKケラーの登板は22試合。岩崎、岩貞祐太(31)、加治屋が30試合以上に投げているのに比べると、少なすぎます。岡田監督のKケラーに対する評価があまり高くないようです。僅差の場面では使いにくいと思っているのでしょう」(在阪メディア関係者)
この時点で、阪神が一軍登録している外国人選手はKケラーと外野手のシェルドン・ノイジー(28)の2人だけだ。ノイジーのここまでの成績は2割3分8厘、本塁打5、打点32。この程度であれば、中堅クラスの日本人選手を使っているのとあまり変わらない。
今季はブライアン・ケラー(29)、Kケラー、ジェレミー・ビーズリー(27)の3投手と、ノイジー、ヨハン・ミエセス(28)の2野手でスタートした。だが、ブライアン・ケラーは春季キャンプから危機意識のない“マイペース調整”や故障などもあって、7月25日付けで自由契約に。これと前後して、前ヤンキース3Aのリリーフ右腕、コルテン・ブルワー(30)を緊急獲得した。
だが、それにしても岡田阪神は「外国人選手」に恵まれていない。投打のどちらかだけでも「優良外国人選手」を獲得していたら、ペナントレースの戦況も変わっていたはずだ。
外国人選手を一人にさせない
「たしかに、岡田監督は外国人選手に恵まれていません。第1次政権(04~08年)でも外国人選手があまり活躍できず、やり繰りに苦労していました」(ベテラン記者)
厳密に言うと、第1次政権にもチームに貢献してくれた外国人選手はいた。しかし、ジョージ・アリアス氏(51)はオリックスが見つけてきて、星野仙一氏が監督を務めていたときに契約した選手だ。岡田監督が編成した鉄壁のリリーフ陣JFKの一角を担ったジェフ・ウィリアムス氏(51=現・阪神駐米スカウト)は星野氏のルートで契約しており、アンディ・シーツ氏(51)も広島から“強奪”してきた。
岡田監督が第1次政権下で見つけてきた“オリジナルの外国人選手”は全滅とまでは言わないものの、チーム貢献度は低い。
「星野氏は監督就任の際、外国人選手の獲得ルートを持つブレーンも連れてきました。しかし、そうしたルートを持たない岡田監督は球団に外国人選手の獲得をお願いしていて、映像資料をいっしょに見るなどしています」(前出・同)
阪神の歴代監督のほとんどが、球団に調査・獲得交渉をお願いしてきたという。発掘ルートが同じでも岡田政権下では“ハズレ”が多かった。つまり、「運がない」ということか……。現外国人選手たちの映像資料を見た昨秋キャンプ中、岡田監督は「あんまりエエのがおらんかったな~」とこぼしていた。
「オールスター戦の休みの間、阪神は完全休養日を設け、そのあとで全体練習をしました。再びチームの全員が揃ったとき、岡田監督はノイジーのそばに行き、色々と話し掛けていました。監督は『休みの日は何をしてたんだと聞いて、雑談していた』と教えてくれました」(前出・在阪メディア関係者)
岡田監督の気配りだ。「雑談をした」とも言っていたので、英会話もできるのだろう。
「当初、今季の外国人選手は『3投手1野手』の予定でした。でもその『1野手』をさして、『一人にしたらダメだ、母国語で会話ができるように』と強く主張し、ノイジーとミエセスの2人を獲ることが決まったんです」(関係者)
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