エンゼルスは次々有力選手を補強…大谷翔平がポストシーズンに出られる確率と最大の懸念事項は?
2投手の実力
果たしてエンゼルスはポストシーズン進出を決められるか、MLBに詳しいスポーツライターの友成那智氏に取材を依頼した。まずは「進出が期待できる要因」から解説をお願いしよう。
「最大の追い風は、ジオリト投手とロペス投手の獲得でしょう。2人とも来季は高い年俸でどこかのチームに移籍するのは折り込み済みで、エンゼルスは上手に“腰かけ移籍”を実現しました。先発タイプのジオリト投手は、ホワイトソックスのエースでした。今季は6勝7敗、防御率は3・85。チェンジアップが得意球で、数字以上に『試合を壊さない』ピッチャーです。エンゼルスの先発は左腕ばかりですが、彼は右腕です。大谷とジオリトの両投手が、勝ち星の計算できる両エースとして活躍してくれることが期待されます」
ロペスは今季2勝5敗、10ホールド、4セーブ、防御率は4・15という成績だ。
「ロペス投手は、先発も中継ぎもクローザーも対応できる“ユーティリティ・ピッチャー”です。一発病が玉にきずですが、フィル・ネビン監督(52)が重宝する可能性は高いでしょう。何しろ負け試合のロングリリーフでも投げられるのですから、16連戦のような過密日程や先の読めない延長戦などでは活躍を求められるはずです」(同・友成氏)
不安要因も大谷
ケガをしていた選手が続々と戻ってくるのも朗報だ。友成氏によると、左手首の手術を終え現在はリハビリ中の外野手マイク・トラウト(31)は8月中旬、大谷の“女房役”として話題を集めた捕手ローガン・オホッピー(23)は左肩の手術を終え、9月には復帰しそうだという。
「最後に指摘したいのは日程です。7月26日から始まった話題の16連戦ですが、2勝1敗のペースで勝ち越す必要はなさそうです。というのも、9月にはワイルドカード争いで12位のオークランド・アスレチックスや8位のクリーブランド・ガーディアンズなど、“格下”のチームと対戦することが多いからです。これから逆算すると、16連戦は9勝7敗でも大丈夫ということになります」(同・友成氏)
終盤戦で対戦相手に恵まれているのは大きいだろう。しかし、もちろん不安材料はある。それも筆頭格は大谷だ。
「28日に行われたタイガースとのダブルヘッダーで、大谷選手は第2試合でも37号2ランと38号ソロを放つ大活躍でしたが、38号を打った第3打席で左の脇腹を押さえて、かなり苦しそうな表情を浮かべました。翌29日のブルージェイズ戦でも9回に代打を送られ途中交代しましたが、エンゼルスは試合後、『両足がけいれんした』と説明しました」(同・友成氏)
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