「あんたって本当につまらない男ね」妻との結婚を報告した際、母親は言い放った。44歳夫が語る“嫌気がさした親子関係”

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結婚報告に「つまらない男だね」と言い放った母

 母は彼の千夏さんへの思いに気づいていたのだろう。大学はどうしても東京へ行けと言い張った。離れれば気持ちも冷めると思ったようだ。東大には入れなかったが、そこそこ名の知れた私立には受かった。

「結婚すると報告したとき、母は『あんたって本当につまらない男だね。せっかくいい会社にも入ったんだから、もっといい家の女の子と結婚すればよかったのに』と言い放ちました。母が僕に何を望んでいるのかさっぱりわからなかった。世間体を気にしていることだけはわかっていましたが。それでも男の子は母親が好きなんですよね。僕自身も、母を嫌だと思いながら、いつか褒めてもらいたいとも思っていた。育ってくる過程で、母に褒められた記憶がまったくないんです」

 千夏さんは、母と同じように気の強いタイプではあったが、「非常に常識的で論理的」だったから好きになったと彼は言った。だが今思い返すと、千夏さんにも「褒められた」記憶がほとんどない。対等な大人の男女の関係なら、相手を親子関係のように褒めそやすこともないと思うが、彼は千夏さんには褒められたいと言う。それが母にしてもらえなかったことだから。だが、そういう彼の「歪み」のようなものが結婚生活を少しずつ、おかしなものに変えていったのかもしれない。

後編【浮気がバレて妻に叱られるのが嬉しい…44歳“かまって夫”が明かす妻への歪んだ愛情】へつづく

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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