「聞き上手」の首相は、いかにして日本を全面戦争に引きずり込んだのか

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 岸田文雄首相のアピールポイントは「人の話をよく聞く」ことであるという。たしかに近年は、優れたリーダーの資質として「聞き上手」であることが挙げられることが多い。

 しかし、かつて天皇をはじめ多くの人から「聞き上手」と評価された近衛文麿(このえふみまろ)首相が、日本をドロ沼の戦争に引きずり込んでしまったことも、忘れないでおいた方がいいだろう。

 防衛大学校名誉教授の戸部良一氏は、『日本の戦争はいかに始まったか―連続講義 日清日露から対米戦まで―』(新潮選書)の「第四章 支那事変はなぜ起きたのか」において、日中の局地的な紛争を全面戦争へとエスカレートさせてしまった近衛文麿の政治指導スタイルを問題視している。...

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