台湾では「福原愛」ではなく「浮気愛」と呼ばれ…元夫「江宏傑氏」への見方もガラッと変わった事情
ダークスーツにグレーのネクタイ、そして神妙な面持ち――。福原愛さん(34)の元夫で、元卓球選手の江宏傑氏(34)の登場シーンだ。これまでテレビなどに出演していた時のような明るいイメージがガラリと一転、硬い表情で台湾と日本両サイドの弁護士を引き連れて、7月27日、東京都内の記者会見場へ現れた。
なぜこのタイミングだったのか。離婚翌年の2022年7月、福原側が2人の間にできた姉弟のうち、息子の方を台湾から日本に連れ去ったまま連絡が途絶えたことについて、東京家裁で江側に引き渡す判決が出たことがきっかけになったようだ。福原さんと江氏の離婚が成立してから、一旦は平穏が訪れていたと思われていた2人は、子供の養育権を巡ってさらに対立していた。その経緯と今後について、台湾の反応も含めて探ってみたい。【広橋賢蔵/台湾在住ライター】
【写真】まだ超ラブラブだった新婚時代…「愛ちゃん」と江氏の話題になった「キス61連発」
恥を忍んで“元妻”へ送るメッセージ
正直に言って、面食らった。福原さんの日本人男性との不倫騒動以来、離婚訴訟については「プライヴェートなこと」として全くメディアに口を開かなかった江氏が、こうして記者会見を開いて、自ら“元妻”との間の訴訟関係を明らかにしたからだった。
台北在住の筆者は、2021年に発覚したこの福原さんの不倫、そして、離婚問題について、台湾の世論を踏まえながらデイリー新潮で2度にわたって記事を発表している。
<台北の街から福原愛の広告が消えた! モラハラ&不倫報道、台湾人の反応を現地在住の日本人が取材>(2021年3月9日配信)
<「福原愛」離婚後、中国メディアに初告白 台湾メディアから送られた「皮肉」と「警告」>(2021年8月8日配信 )
その後、現地台湾で江宏傑氏のインタビューを取るべく、その後の様子をウォッチしていたものの、離婚裁判について江氏のメディアに対するガードは堅く、つけ入る隙もなかった。その後、いつしか興味も薄れ、正直に言って賞味期限切れの感があったわけだが、ここにきて江氏が突如、東京に現れ、涙ながらに「息子を返してくれ」と語る姿は、これまでになく切羽詰まった印象を与えた。
それと同時に、「内輪揉めを白日の下に晒す恥を忍んで、福原側への警告を含めたメッセージ」を送るための東京乗り込み会見だったのだと受け止めた。これまでは「よき夫、よきパパ」という、理解のあるお人好しのイメージが先行していた江氏だが、今回はキッパリと、元妻に甘い顔は見せないという覚悟を(演技も多少加味されていたかもしれないものの)表情に滲ませていた。
台湾人は「江福対戦」記者会見をどう見たか?
福原さんと江氏との間に起きた、離婚や親権問題に関する一連の騒動を、台湾では「江福対戦」と名づけている。「中台有事」「日台友好」の用例にも似た、的を射たネーミングとも言える。福原さんが元夫と家族のいる台湾を自ら離れ、それ以来、台湾に戻ってこないことを含めて、日台両岸での係争が続き、子供の親権を取り合うかのように睨み合う様子は、終わりの見えない争いと見られていたようだ。
その経緯はさておき、台湾で今回の記者会見がどう捉えられたのか、振り返ってみよう。
実は、江氏が会見を開いた7月27日は、台湾全土、特に東南部に大型の台風が上陸していた。時々刻々と変化する台風情報に加えて、台湾国軍による大規模な「漢光演習」の解説、次期総統選挙候補者の動向などを伝える報道がひしめいており、有名スポーツ選手元夫婦のゴシップには反応が鈍かったという印象だった。
台湾で「江福対戦」に関心が向かなかった事実は、テレビにて記者会見の模様が各局とも放送されず、「CTI中天新聞」など一部のメディアがYouTubeライブで放映するにとどまったことでも分かる。そして、記者会見の1時間後に「ETtoday」が中国語字幕を交えた速報で発信したネットニュースが1日で6.4万回視聴数、また、福原側がその後に出した江側への抗議に対するニュースや、会見をライブ中継した「CTI」のネットニュースも1日1万回視聴数を記録するにとどまったことは、台湾の人々の「江福対戦」に対する関心が薄かったことを示している。
会見の内容いかんよりも「江氏の横に座った日本人女性弁護士(大渕愛子氏のこと)は、美人で仕事ができそうだ」という見出しのニュースが話題になる自体、会見や裁判がショービジネス化しているようだった。
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