韓国のスラムダンク熱は今も 主題歌を歌う「10-FEET」公演に見る反日不買の終わり

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文在寅政権が壊した日韓関係

 文在寅政権になる前まで、日本のアーティストの韓国での公演やメディア出演は決して珍しくなかった。たとえば嵐は、2006年11月に続き、2008年11月にも韓国でコンサートを開催していた。GACKTも2009年5月に来韓コンサートを開いた。ともに韓国内の多くのファンを魅了し、イベントは大成功だった。2010年にはKAT-TUNが来韓、コンサートのチケットは発売20分で全席売り切れになりマスコミの注目を集めたものだった。その後、堂本光一や山下智久、モーニング娘。、Perfumeなどアイドル歌手だけでなく、多数のバンドやミュージシャンの公演がつづいた。

 そんな空気のなかで、文在寅政権が成立した。左翼政党の反日感情刺激と「NO JAPAN」キャンペーンが生みだした日本産製品不買運動が韓国を席巻。そこに新型コロナウイルスが拍車をかけ、良好だった雰囲気をめちゃくちゃに壊してしまった。

 文在寅政権が終わり、日韓関係が回復しつつある。政治と観光に加え、文化交流がようやく動きはじめた。日韓関係の歴史をみても、改善の節目にはやはり文化交流があった。先の多数の日本アーティストの来韓公演と共に韓国ドラマが日本に紹介され人気を集め、両国の友好はさらに深まった。

 10-FEETのライブにやってきた観客は、映画「THE FIRST SLAM DUNK」を観た人たちだった。知っているのは「スラムダンク」のテーマソングだけ。韓国でCDが発売されたり、メディアの露出があったわけではない。 それなのに、ライブに熱狂し、グッズ購買に長い列をつくる。日本文化にまったく抵抗がない。過去の歴史問題や一部の政治家の反日刺激も、「スラムダンク」のテーマソングで吹き飛んでしまった。

 2017年以前のように、日本人アーティストの積極的な韓国での展開がはじまる予感がする。

ノ・ミンハ(現地ジャーナリスト)

デイリー新潮編集部

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