テスラ元社外取締役・水野弘道氏が今度はハーレー関連会社の取締役に 「6万ドルの報酬と37万ドル超の株式が付与」
〈私たちはヒロを取締役会に迎えることができて興奮しており、世界で究極の電動バイクブランドになるというライブワイヤーの使命を前進させ続けるために彼がもたらす貴重な洞察を楽しみにしています〉
アメリカの「ライブワイヤー社」のヨッヘン・ツァイツ会長がこんなコメントを発表したのは6月中旬のこと。ツァイツ氏は、バイクメーカーのハーレーダビッドソン社のCEOも務めており、彼の言う「ヒロ」とは水野弘道氏(57)だ。ご存じのように水野氏は日本の公的年金を運用するGPIFの最高投資責任者を経てテスラの社外取締役の座にもあった人物である。テスラ時代には経産省参与という肩書も持ち、菅義偉総理(当時)に国のEVシフトを働きかけたともいわれている。
「水野氏はストックオプションでテスラ株2万3446株を手に入れ、その評価額は約57億に膨れ上がりました(今年4月時点)。その後、水野氏はテスラを辞めましたが、今も保有していたら100億円近い額になります」(全国紙の経済部デスク)
6万ドルの報酬と37万5千ドルの株式が
そんな“現代版わらしべ長者”の水野氏が取締役として新たな仕事場に選んだライブワイヤーとは、どんな会社なのか。
「同社はもともとハーレー社が立ち上げた電動バイクのブランドで、最初のモデルが発表されたのは2014年。さらに22年、ハーレー社はライブワイヤー部門を切り離し、株式上場させるのです」(同)
ハーレーといえば大きく曲がったハンドルとドンドンというエンジン音が特徴で、日本にも熱烈なファンがいる。EVから最も遠そうなバイクメーカーなのだが、ライブワイヤーに試乗したことがあるモーターサイクルジャーナリストの小林ゆき氏によると、
「電動バイクはバッテリーの電気で直接モーターを回しますから確かにエンジン音がしません。代わりにトルクが大きく、あっという間にトップスピードに達します。エンジンバイクとは比べ物にならないほどの加速力がありました」
もっとも上場しているとはいえ、ライブワイヤーはまだ赤字続き。日本でもバイクを発売しているが、充電の問題もあって、街で見かけることはあまりない。
同社によると非常勤取締役には6万ドルの報酬と37万5千ドルに相当する株式が付与されるとある。水野氏にすれば、何てことのない額だろうが、EVバイクで二匹目のドジョウ、もとい、大当たりを引くことができるのか。