チョコやグミにクッキー、リキッドまで… 若者に広がる「ゲートウェイ大麻」汚染 「闇バイト」も活用する“流通ルート”を関係者が初証言

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「手押し」や「野菜」の隠語

「リキッドタイプの最大の利点は“リスクが格段に低い”こと。大麻草が警察などに見つかれば、言い訳もきかず“即アウト(逮捕)”だが、リキッドなら“合法だと思ってた”と言い張れば、切り抜けられるケースが少なくない。電子タバコなどに使われる液状のリキッドは大手ディスカウントストアでも売っているので、“違法なものと知らず、六本木のクラブで知らない外国人からもらった”などとシラを切り通し、実際に不問になったケースもある」(X氏)

 そのため「気軽に大麻を試すゲートウェイ・ツール」として、10代から20代の若者を中心に人気を集めているという。

「大麻リキッドは常用者なら吸っても“軽い”と物足りないが、初心者なら一口吸って“フワリと気持ちを落ち着かせてくれる”などと評判。でも実際のところ、店舗で買っているコたちは少数派で、主流はSNS上での売買に移っている。たとえばTwitterで“手押し(対面販売)”“野菜(大麻)”などと検索すれば売り手はいくらでも見つかり、おまけに24時間対応で受け渡しが可能だ」(X氏)

 値段は1ミリリットルで8000円~1万5000円程度が相場という。Twitterを使ったTHC含有リキッドの売買は、東京の新宿・歌舞伎町や渋谷、大阪の梅田など都心部に限られるものの、流通量ではSNS経由が「圧倒的に多い」と囁かれている。

ペット用も販売

 最近ではリキッドタイプだけでなく、大麻成分が入ったチョコやグミ、キャンディーやクッキーなど、海外で「エディブル」と呼ばれる商品も数多く出回っている。

 実際、報道されないだけで、大麻所持で摘発された容疑者宅から「大麻草以外にエディブルの類いが見つかるケースは増えている」(前出・記者)という。ネット上の“大麻加工レシピ”を見て自作・販売するケースもあるが、「多くは海外から輸入されたものだ」とX氏は話す。

「一部の州で大麻が合法化されているアメリカや、犯罪として取り締まり対象になっていないタイなどにある“大麻ショップ”で買うのが一般的。海外の専門店に行けば、LSD(幻覚剤)入りチョコバーが30ドル程度で売られていたり、“リラックスフード”としてペット用のTHC入りクッキーまで売っている。見た目がお菓子や加工食品なので、日本の税関を通る時にスルーされる確率も高い。仮に咎められても現地では合法商品として販売されており、“違法なものとは知らなかった”と言えば、逮捕までされるケースは少ない」(X氏)

 X氏も過去、液体状にしたLSDを目薬のボトルに入れ、税関を堂々とすり抜けた経験があるという。

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