実は3番目に多い死因は医療ミス? 良い大学病院を見抜くポイントは?  寿命を削らない医者の選び方を徹底解説

ドクター新潮 ライフ

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求められる「患者力」

 大学病院などの大きな病院に紹介状を書いてもらう時も、医者の良し悪しを判別する一つの機会です。患者さんが自分なりに調べ、本当はB大学病院の名医に診てもらいたいと思っているのに、その医者はC大学病院にしか紹介状を書こうとしない。その理由は、やはり自分がC大学出身だったり、あるいは大学病院と何らかの利害関係があったりすることが少なくありません。

 しかし、本当に患者さんのことを第一に思い、その方の病状にあった病院に紹介状を書くことを考えるのであれば、出身大学や利害関係は気にしないはずです。本来、どこの病院で診療してもらうかの最終決定権は患者さんにあるのですから、患者さんが望む病院を、合理的理由もなくかたくなに拒んで紹介状を書こうとしない医者は、患者さん本位の医者ではないということになります。

 このように患者さんにも、正しくない医療で命を削らないために医者に質問をする、自分でリサーチして名医を見つけるといった「患者力」が求められます。この患者力の中には、「質問する力」の一方で「余計なことは言わない力」も含まれます。適切な質問はどんどんするべきなのですが、無駄な説明は医者を疲弊させるだけだからです。

患者を差別してはいけないが…

 医者が知りたいのは、患者さんがどんな症状で、どのような時にその症状が起き、どういった頻度でそうなるのか、薬を飲んでいるか、ほかの病院にかかっていないか、既往症はどうかといった基本的な情報です。

 ところが患者さんの中には、昔診てもらった先生はこんな先生でイヤだったとか、10年前に別の病気で手術を受けた時は別の先生でこれまた不愉快だった……といった具合に、医者が知りたい情報とは別の話を延々と続ける方がいます。

 あるいは、辛くてしんどいのは分かるのですが、医者の知りたいことにはあまり答えず、「痛い」「早く治して」と感情的なことばかりを訴える。

 こうしたことだけを言われると、医者も人間ですから正直に言って面倒くさくなる。患者さんを差別してはいけないのはもちろんですが、「無駄話」を続ける患者さんはどうしたって積極的には関わりたくなくなるのが医者の“本音”です。それは結局、親身な治療の妨げとなり、患者さんにとっての不利益につながります。したがって、必要なことを伝え、聞くべきことを聞いたら、あとは医者の質問に的確に答えるのが「患者力」を備えた患者さんであると私は考えます。

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