実は3番目に多い死因は医療ミス? 良い大学病院を見抜くポイントは? 寿命を削らない医者の選び方を徹底解説
大学病院のリスク
では、どうやって病院や医者の良し悪しを見極めればいいのでしょうか。そのために大事なのは、多くの患者さんが持っている医療に関する「常識」を変えることだと思います。
例えば大学病院です。最高学府に付属する病院ですから、最先端の研究を行い、腕の良い先生が集まっているというイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、大学病院のような大きな病院のほうが、むしろ医療ミスのリスクは高いといえます。なぜなら、まず大きな病院ほど会議などの雑務が多く、時間に追われている面があるからです。
また、大学病院は多くの研修医を抱えています。研修医とは、すなわち若くて経験が乏しく、技術が未熟な医者であることを意味します。大学病院が、そうした若い研修医に経験を積ませ、一人前の医者に育てる場という側面を持っているのは事実です。とはいえ、それはあくまで「大学病院側の論理」です。「患者側の論理」からすれば、言葉は悪いですが、若い研修医の“実験台”になって命を削られては堪(たま)ったものではありません。
従って、大学病院などで治療、とりわけ手術を受けるのであれば、あなたの症状・病気の専門科において、その病院で一番の医者の手術を受けることをお勧めします。
教授の出身大学を調べる
「一番の医者」は、インターネットなどで年齢や経歴を調べれば、ある程度は把握できます。手術であれば場数を踏んでいて、かつ体力が衰えていない40~50代の医者がいいでしょう。事前に病院に連絡を入れ、その一番の医者の治療を受けられるか、受けるまでにはどれくらい待つかを聞く。仮に数カ月待ったとしても、急を要しないのであれば待つ価値があると私は思います。なにしろ、自分の命がかかっているのですから。
また、研修医の問題をおいたとしても、大学病院が「良い病院」とは必ずしも言い切れません。それを見分けるひとつの基準は、教授の出身大学を調べてみることです。A大学病院であれば、A大学医学部出身の教授が多いのは当然と思われるかもしれませんが、実は、それはその大学病院が学閥にこだわっていることを表しているともいえるのです。
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