【VIVANT】ドラムはなぜしゃべらない? 異例の翻訳アプリを使うことになったウラ事情
豪華キャストが話題の日曜劇場「VIVANT」(TBS)で、人気俳優を差し置いて存在感を放つ新人俳優がいる。警視庁公安部の捜査官・野崎(阿部寛)のあらゆる要望に応える優秀な男・ドラムを演じる富栄ドラム(とみさかえ・どらむ[31])だ。
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【写真を見る】存在感を放つ新人俳優「ドラム」は元力士でYouTuber
モンゴルに隣接する“バルカ共和国”の現地協力者として登場したのがドラムだ。乃木(堺雅人)の国外脱出を助ける野崎のため、偵察はもちろん、車の手配、食料の調達など、とにかく八面六臂の働きをしている。ただ、日本語は聞き取ることはできても話すことができないそうで、スマホの音声翻訳アプリ(声:林原めぐみ)を使ってコミュニケーションを取っている。ドラムの風貌と翻訳アプリの可愛い声のアンバランスさも人気を呼んでいる。
SNSでもドラムの話題で持ちきりだ。
《VIVANT、ドラムが優秀すぎて、ほぼドラえもんなのよ》
《VIVANT、ドラムとドラムのスマホが生きていればそれでいいもう》
《VIVANTのドラムて、日本人だったのか。モンゴルのハーフかと思ってた》
その通り、ドラムを演じる富栄は日本人だ。さらに、元力士でもある。スポーツ紙記者は言う。
「兵庫県神戸市出身で、地元の中学を卒業後、2008年に伊勢ヶ濱部屋に入門し、すぐに初土俵を踏みました。本名は冨田龍太郎で、四股名(しこな)が富栄です。横綱の日馬富士や照ノ富士の付け人を務めつつ、最高位は東幕下6枚目で、もう少しで関取というところまでいきました。現役時代は身長168センチ、体重122キロと小柄でしたから無理もしたのでしょう。股関節痛と腰痛に悩まされ、一昨年3月場所を最後に引退しました。生涯戦績は258勝245敗です」
力士からユーチューバーへ
モンゴル出身力士の付け人をしていたのも何かの縁かもしれない。彼のInstagramには《モンゴルで日馬富士関と》と記された2ショット写真が掲載されている。日付が今年5月5日なので、モンゴルでのロケの最中だろう。
「引退後はユーチューバーに転身し、『ブヒブヒパーリー』というYouTubeチャンネルを開設してモノマネを披露したり、“富栄に相撲で勝ったら10万円(のちに11万円)”企画などを配信しています。元力士だけに結構強かったですよ」
もっとも、最終的な目標は違うようだ。引退後のインタビューではこう答えている。
《チャンネル登録者数を1万人くらいに増やして、幅広く好まれるチャンネルにしたいです。ブヒブヒパーリーとしては収益より有名になるのが一番の目標です。個人としての目標は、鍛えた身体と運動神経を生かしてアクション俳優や、キャラで芸能タレントになり、ドラマや映画などの作品に関わり人の記憶に残る存在になりたいです。1年後にはユーチューブも芸能活動もうまくいって、大相撲で頑張ってきたこと、このタイミングでやめたことが良かったと思えるようにしたいです》(日刊スポーツ電子版:21年4月2日)
その目標がようやく実現したわけだ。民放プロデューサーは言う。
「初めて民放のテレビに出たのは、昨年10月に放送された『衝撃の早ワザ映像150連発!世界スピードスターGP』(フジテレビ)ではないでしょうか。この番組で、体重120キロながら連続でバック転を決める映像が流されました。今年5月には大相撲を舞台にした配信ドラマ『サンクチュアリ―聖域―』(Netflix)で役者としてデビューを果たし、『VIVANT』への出演で注目されたというわけです」
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