DeNAのキーマン、山崎康晃をクローザーから外した番長采配の狙いは?

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後半戦、連敗でスタートしたが…

 横浜DeNAベイスターズの後半戦は、連敗スタートとなった。オールスターゲーム前の3連敗を合わせて5連敗だ(7月23日)。一時は、阪神を抜き去って首位にも立った。ついこの間まで僅差の首位攻防戦を繰り広げていた。だが、投打のちょっとした歯車が狂ったことで連敗を喫し、3位に後退。4位巨人とのゲーム差も1.5まで縮まってしまった。

「とうとう7月は本拠地・横浜スタジアムでホームランが1本も出ませんでした。同スタジアムでのホームランは6月23日に出たきり。13試合連続で本塁打ナシです。5連敗は今季2度目です」(スポーツ紙記者)

 それでも、三浦大輔監督(49)は下を向かない。「こういうときはしっかり守り、やれることを各自がやっていくしかない」と言い切った。取り囲む記者団からは「20試合連続で4得点以下、7月は4得点以上取っていないこと」を知らされたが、

「今はちょっと全員が調子が悪い。何とかしようとやってくれているんですけど。こういうときはしっかり守り、やれることを各自がやっていくしかない……」

 と言って、控え室に消えた。

 各自がやれることをしっかりやっていく――。当たり前すぎて、一見、無策にも思われがちだが、それは違う。起用した選手はトコトンまで信頼する。“番長野球”とは、勝利したときにもっともチームが盛り上がることを選択していくスタイルなのだ。

 こんな“番長采配”も見られた。7月11日の阪神戦だった。1点ビハインドで迎えた5回表、一死二、三塁の場面で三浦監督が送った代打は、藤田一也(41)。19年目のベテランだ。同日に一軍に昇格したばかりで、これが今季初打席でもあった。旧ベイスターズでキャリアをスタートさせたが、12年途中、東北楽天に移籍。一昨年オフ、東北楽天で「戦力外」を通達されたが、三浦監督と現DeNAフロントが「帰って来い」と救いの手を差し伸べたのである。

「ベイスターズ帰還後の藤田の働き場所は、主に代打です。楽天が初優勝、日本一に輝いた13年、移籍2年目でありながら、異例の副キャプテンに選ばれました。同年の最優秀選手賞は24勝0敗の田中将大でしたが、セカンドのレギュラーを掴んだ藤田に対し、『走者を背負ったときなど、投手がピンチを迎えた場面での声を掛けるタイミングが絶妙に巧すぎる!』と、影のMVPと賞する声もありました」(楽天OBのプロ野球解説者)

 藤田はキャンプ、オープン戦で結果を残せず、今季は出遅れた。昨季のバットマン成績は40打席で9安打(2割5分)。「まだ終わっていない、チームに貢献したい」との思いを強く持ったベテランを迷わずコールしたのは、指揮官の「藤田が打てば、チームが勢いづく」という思いからだった。しかしこのとき、藤田は三浦監督の期待に応えられなかった。同点、逆転の好機を逃したショックもあったのか、その裏の阪神の攻撃を防ぎきれず、追加点を許して惨敗した。この阪神との3連戦では首位奪還のチャンスもあったわけだが、1勝2敗と負け越し、その後も打線が低迷して3位まで後退してしまった。

「第2戦はバウアー(32)が先発したのに勝てませんでした。しかも、サヨナラ負け。この時点で、チームはどういうわけか、今季、阪神戦で本拠地は5戦5勝でも、敵地では8連敗。内弁慶状態と指摘され、なんとかそれを止めたいと思っていました」(チーム関係者)

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