お祭りの最中に起きたヤクザ同士の「踏んだり蹴ったり」の大ゲンカが早めに終息した理由

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『ヤクザと憲法』

 とはいえ、前述の親分同士の関係性によって、当事者に対して処分などが下ることはなかったという。この関係性について少し補足しておこう。

 稲葉会の上部団体にあたる2代目東組では、2022年に内紛が起こり、副組長で2代目清勇会の川口和秀会長が絶縁処分を下され、引退している。この川口会長は比較的、一般の人にも知られている存在かもしれない。東海テレビが制作したドキュメンタリー番組・映画『ヤクザと憲法』(映画は2016年公開)で、主役級の密着を受けていたからだ。9月には伝説と呼ばれた禅僧との交友をテーマにしたドキュメンタリー映画も公開されるという。

「友田親子は元々この2代目清勇会に在籍していました。“友田父”は、2代目清勇会会長代行でもある呉本幸造・幸導舎組長の養子になったうえで、2代目として幸導舎を継承。2代目清勇会では本部長を務めていたはずです。川口会長の引退後、稲葉組に移ったというわけですね」(同)

 東組は初代から、山口組との抗争も辞さず、独立状態を貫いてきた組織だ。そんな東組でさえ、自ら吹っ掛けたケンカの後、すぐ自重するような振る舞いをしたということはヤクザ受難時代を象徴しているということなのだろうか。

デイリー新潮編集部

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