お祭りの最中に起きたヤクザ同士の「踏んだり蹴ったり」の大ゲンカが早めに終息した理由

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ケンカを吹っ掛けたのは

 7月17日、大阪府貝塚市内の感田神社の祭りで、暴力団組員同士が派手なケンカをしている動画が出回った。コロナ禍が明けて、祭りの開催にも事実上制限がなくなり、現場での揉め事も“復活”ということなのだろうか。

 ケンカの当事者は、6代目山口組の4次団体・権太会の西田剛本部長(剛心会会長)と独立組織である2代目東組傘下・稲葉組の友田公一若頭補佐と息子の友田大地組員とされている。

 動画を見る限り、権太会側から稲葉組側が一方的に踏まれたり蹴られたりしているように見える。

「当初ケンカを吹っ掛けたのは稲葉組の方らしいのですが、返り討ちにあったというのが真相のようです。稲葉組もそれなりに人数がいたという情報がありましたが、実際その場にいたのは友田親子だけでした」

 と、元山口組系義竜会会長の竹垣悟氏(現・NPO法人「五仁會」主宰)。そうは言っても組同士のケンカには違いないが。

権太会にケンカを売った組織

 権太会は2019年9月に、神戸山口組・3代目古川組から6代目山口組側へ移籍した。上部団体は3代目弘道会・野内組で、平野権太会長は野内組相談役も務めている。ヤクザ受難の時代に、資金的にも武闘派の面でも一目置かれる存在の権太会に対し、文字通りケンカを売った組織がいることに、”業界“では注目が集まった。

「ただ、一旦ケンカを売ったはいいが、やはり権太会相手に揉め事はNGだろうという空気が生まれ、皆が引いていく中、友田親子が逃げ遅れたというのが実情ではないでしょうか」(同)

 もっとも、その後のケンカの手仕舞いは早かった。平野権太会長と稲葉組の稲葉浩二組長(2代目東組舎弟頭)とは兄弟分の間柄ということもあって、すぐに両者の話し合いで収まったようだ。

「西田本部長は当初は納得していなかったと聞きました。売られたケンカを買って何が悪いということなのかもしれません。“大阪で権太会に楯突くというのはどういうことか”とのプライドを持っているということでもあるでしょう」(同)

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