中国外相「電撃解任・交代」でも深まる謎 ケンブリッジ大卒「美人キャスター」はなぜ“不倫相手”と噂されるようになったのか
閉鎖されていない複数のSNSアカウント
中国の外相が突然、表舞台から消えた――。6月25日から続いていた秦剛氏の動静不明は、丸1カ月後に解任という形で終了した。ただし、解任理由が公表されなかったため、依然としてさまざまな憶測が飛び交っている。そこで注目されている重要人物は、秦氏の不倫相手と噂される女性キャスター、傅暁田(フー・シャオティエン)さんだ。
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傅さんと秦剛氏の不倫関係に関する噂は、秦氏が駐米大使だった2022年から存在していた。彼女がWeibo(中国のミニブログ)で米国移住や出産を報告していたからだ。この噂と秦剛氏の動静不明を結び付ける噂は、7月中旬から一部の海外メディアやニュースジャンルのYouTuberなどが取り上げ始めた。
不倫相手の出産は権力者によくある話であり、それだけが秦剛氏の消えた理由とする見方は少ない。現在は傅さんも動静不明のため「彼女自身に関するなにかがあるのでは」とする見方も強い。そこで浮上しているのが「ダブルスパイ説」であり、秦氏とともに現在も調査を受けているのではないかという憶測もある。
それでも、傅さんが運用していた複数のSNSアカウントは7月26日時点で閉鎖されておらず、所属するテレビ局の公式サイトには紹介ページが残っている。一方で、秦氏に関するページは中国外交部(外務省)の公式サイトから消えたが、政府のほうには残っている。外交部長(外相)を解任されても、兼任していた国務委員にはとどまっているからだ。
解任が決定しても謎は深まるばかり。今後もさらに情報が出てくるとみられているが、そもそも傅さんとはどのような人物なのだろうか。
中国でダブル学位、ケンブリッジ大学留学の才女
傅さんが所属する「フェニックステレビ(鳳凰衛視)」は香港拠点の衛星テレビ局で、民間企業だが、中国政府寄りの論調で知られている。傅さんは同局の看板キャスターとして活躍し、2020年には同局の最優秀司会者賞を受賞した。
現在も閲覧できる同局の公式サイトによると、傅さんは北京語言大学と北京大学で学位をダブル取得し、留学先の英国のケンブリッジ大学でも哲学の修士号を取得。2009年に「フェニックステレビ」に正式入社すると、チーフレポーター兼支局長として英ロンドンに駐在した。駐在中はリビア内戦の取材に2度赴いている。
香港本社に異動した2012年以降は、国際会議などの取材で世界を飛び回った。2014年からは対談番組「風雲対話」の司会者として、ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官やジョン・ケリー元米国務長官、ゴードン・ブラウン元英国首相、安倍晋三元首相といった世界の要人たちをゲストに迎えている。
2016年には英国での母校、ケンブリッジ大学チャーチル・カレッジに自身の名を冠した庭園「シャオティエン・フー・ガーデン」が開設された。同カレッジの公式サイトによると、「教育、学習、研究を推進するという大学の使命を支援するため、一連の寛大な寄付を約束した傅暁田女史にちなんで命名された」という。また、2017年にはイタリアの星勲章コメンダトーレ章を受勲した。
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