タイで解禁「大麻ファンド」の黒幕は投資詐欺「100億の男」
いきなり破綻
それとは別に、ファーム稼働前には一口10万円で毎月1.5%の運用益が得られるとも。いくらタイが大麻ブームとはいえ、あり得ないほどの高配当だ。
私募債発行後の今年3月には、大川氏は出資者ら30人を引き連れ、タイに視察旅行へ赴いた。ご一行は現地で、顧問に迎え入れたタイの名門大学の名誉教授との調印式に臨み、大麻の栽培工場も見学している。
「途中、大川さんらは大麻を提供するバーにも繰り出しました。そのとき、大川さんは吸い過ぎて、ダウンしてしまったみたいです。ともあれ、視察旅行の写真をもっともらしく勧誘に使い、新たな出資者を獲得していったのです」
すぐさま出資額は10億円の大台を突破。ところが、私募債発行後わずか2カ月後の今年4月、いきなり破綻を迎えた。配当どころか、元本も戻らず、目下、警察に駆け込む出資者が相次ぐ有り様なのだ。大麻解禁にかこつけた、単なる新手の投資詐欺に過ぎなかったのだ。
「週刊新潮」2023年7月27日号「MONEY」欄の有料版では、クアトロファームの実態に加え、FAGTが手掛けた投資話について詳報する。
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