タイで解禁「大麻ファンド」の黒幕は投資詐欺「100億の男」
私募債
昨年6月、違法薬物リストから大麻を除外した「タイ」。アジア初の「大麻解禁」は医療目的限定だったはずだが、娯楽目的での使用が横行。錯乱状態に陥った日本人観光客が病院に担ぎ込まれた例もある。中毒者急増を代償に、タイでの大麻の市場規模は数年で2000億円へと拡大する見通しだ。そこに目を付けたのが、UAEのドバイに拠点を置く「FAGT」なる投資会社である。
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元ビジネスパートナーが明かす。
「FAGTを起ち上げたのは、東京・世田谷区在住で現在50歳の大川力也こと徐世昌という在日韓国人です。今年2月から、その傘下で“クアトロファーム”というファンドを始めた。要は、“大麻ファンド”で、その謳い文句は“タイ政府が医療用大麻ビジネスを経済成長にとって重要と位置付けている”。ついては、“現地の優秀な栽培者の協力、監修のもと、大麻の栽培ビジネスを展開する”というものでした」
その資金作りのために、クアトロファームが発行したのが私募債だった。
「マルチ商法の仕組みを取り入れ、一口10万円で出資者を募りました。配当の支払いは大麻栽培の“ファーム”が稼働する来年以降を予定。なおかつ、私募債発行と同時の今年2月に出資した場合は月15%、翌3月なら14%、4月は13%というケタ違いの配当が永続的に受け取れるとの触れ込みでした」
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