「天地神明に誓って」は“佐村河内氏”も使ったフレーズ ビッグモーター社長の謝罪会見が「最悪のお手本」と呼べる理由

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記者会見のキモは…

 箔付けのために籠池夫妻から勝手に利用された面はあるかもしれないが、昭恵夫人が学園を訪れていることや、籠池夫妻と一緒に写真に写っていることからすれば「一切」は言い過ぎである。ここで「一切」を言ってしまったため、「もう間違いなく」総理大臣と国会議員を辞めることを「はっきりと申し上げ」てしまったのだ。ここから先は安倍氏のこの断言話法をいかにして覆すか、官僚が答弁に苦労するだけの結果をもたらした。

 というわけで、ビッグモーターの会見はPR業界では歴史に残る「ダメ会見」となり、今後ケーススタディとして頻繁に登場することとなるだろうが、ここで、過去の伝説のダメ会見を振り返ってみよう。ダメ会見、とは言うものの、実際のところ、報道するメディアの側が「これは視聴率取れる」「これはPVが稼げる」「これは部数が上がる!」と面白がって何度も報じたり、専門家に批判させたりして「おもちゃ」にした面もある。今回の兼重氏も今後辿る道であり、PR業界からすれば「おいしいケーススタディGET!」という案件である。メディアは被害者に寄り添う様子を見せながら、実は楽しんでいるのである。記者会見のキモは「面白くしない」である。

お前らテープ回してないやろな

【吉本興業「闇営業」会見】
 2019年、吉本興業の多数芸人が反社会勢力のパーティーで「闇営業」をしていたことから活動自粛に。ワタナベエンターテインメントではザブングルが闇営業をしていた。軒並み処分がされたが、その後、5時間30分近く行われた岡本昭彦社長の会見がヒドかった。前々日の宮迫博之と田村亮の会見は反省の色が見て取れたが、その中でも衝撃を与えたのが、亮が岡本氏と会った際、岡本氏は「お前らテープ回してないやろな」と恫喝された件を明かしたことだ。

 さらには事務所を辞めても謝罪会見をしたいと述べた亮に対しても「亮ええよ。おまえが辞めて1人で会見してもいいわ。やってもいいけど、全員連帯責任でクビにするから。それでもいいならやれ。俺にはおまえらを全員クビにする力がある」と述べたそうだ。

 この点を会見で聞かれた岡本氏はテープについては「場を和ませるためだった」と発言。そして、「全員クビにする力がある」については「父親が息子に言う『勘当や』『ええかげんにせえ』という意味合いだった」と述べた。いや、パワハラでしょうよ、コレ。そして、質問をはぐらかし、部下に回答を振りまくる姿も不評だった。5時間30分というのはダレて仕方がない。

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